3月には約40億枚のマスクを全世界へ輸出し、”マスク外交”を積極的に進める中国だが、中国製マスクは品質基準を満たしていないとして返品や廃棄が相次いでいることが明らかとなった。日本にも多くやって来る中国製マスクは本当に使用して大丈夫なのだろうか。
「オランダ当局は、中国から輸入したマスクが中国での品質認証を受けているにも関わらず、きちんと装着できなかったり、フィルターが機能していないものが多く、『残りの在庫は使用しないことを決めた』として、60万枚をリコールすると発表しています。また、フィンランドでも中国から調達した医療用マスクの品質が使用に耐えないものだったことが明らかになり、サンナ・マリン首相が調達責任者を辞任させる事態にまで発展しているのです」(社会部記者)
なぜここまで中国製マスクの品質が劣悪とされるのか。
「中国政府がマスクなど防疫製品の生産をおこなう企業に対して補助金を支給しているため、これまでマスク作りをしていなかった企業も続々と参入しており、品質など無視して大量生産をしているところも少なくないと言われています。また、多くの企業がマスク製造に参入したことによって、不織布の原料となるポリプロピレンの『メルトブローン布』が不足し、大手以外のメーカーは入手困難な状態が続いていることから、粗悪な代替素材による質の低下に繋がっているといいます」(中国事情に詳しい記者)
そんななか、4月に入り中国から輸入したマスクが日本にも徐々に届くようになっている。
「中国はオランダからのリコールを受けて品質基準を強化することを表明していますが、日本にもかなりの数の劣悪マスクが流入していると見られています。問題になった“妊婦用マスク”同様に、変色や髪の毛が付着していたという報告がツイッター上であがっており、他には『生地がめっちゃ薄い』『耳バンドがついていなかった』といった苦情や、さらには『装着してから喉が痛い』と体の異変を訴えるケースもあります。日本国内の企業により販売されているマスクの中にも、“MAID IN CHINA”はある。その際は、厳しい検査を通過した『全国マスク工業会』のマークが入ったものを購入することが賢明です」(経済ジャーナリスト)
慌てて飛びつく前に、まずは確認を。
(小林洋三)