新型コロナの影響で消えたテレビCMとは? その深すぎるワケ

 新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けている広告業界。テーマパークなど休止している施設のCMが流れなくなったほか、外出自粛の影響により居酒屋チェーンなど飲食店のCMもほとんど見かけないという。

 その状況で、普段なら頻繁に目にするはずの商品でもまた、CMをすっかり見なくなったというのだ。その商品について医療系ライターが指摘する。

「実は風邪薬のCMがまったく流れなくなったのです。一般的に鼻風邪は、季節の変わり目となる春と秋に増えるとされており、普段なら年度替わりの3〜4月には様々な風邪薬のCMが見られるもの。ところが今年はまったくといっていいほど目にすることがなくなりました」

 さては新型コロナウイルスに風邪薬がまったくの無力だからということだろうか。だが本当の理由は、意外なところにあるというのだ。

「その理由とされるのはズバリ“外出自粛”なのです。風邪薬のCMでは《風邪でも絶対に休めない》という宣伝文句など、風邪気味の人が薬を服用することで症状を緩和させ、仕事や学校に行けるとアピールする内容がメイン。しかし感染防止での外出自粛が求められる今では《風邪気味なら絶対に休め!》となるのは明らかです。しかもこの時期は風邪気味=コロナ感染の疑いとなりますので、風邪薬で治そうとすること自体が不適切だと糾弾されかねません。実際には普通の風邪に罹っている人も多いはずですが、そういったアピールもまた“自粛”の対象となっているわけです」(前出・医療系ライター)

 早いところ、風邪薬のCMが普通に流れるようになってもらいたいものだ。

(北野大知)

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