鳥谷敬、ロッテの腰が引けた獲得内幕とレジェンド扱いナシの“裏事情”

 阪神のレジェンド・鳥谷敬内野手(38)のロッテ入りが決まった。

 ロッテ・井口監督とは現役時代から自主トレをともに行うなど師弟関係で、さらに2人は同じマネジメント事務所に所属している。そのため、阪神退団が決まると、「最終的に手を差し伸べるのはロッテだろう」と球界関係者の多くが読んでいた。結局はその通りになったわけだが、やっとの感は否めず、単年契約で年俸は1軍最低保証額の1600万円(推定)。ちなみに昨年の年俸は4億円(同)。背番号も「00」で、2軍からのスタートとなる。

 3月11日、鳥谷はZOZOマリンを訪問したが、コロナウイルス感染予防の観点から正式な入団会見はなかった。

「時節柄もありますが、派手に会見をやるのを避けたのでしょう。ロッテは今オフ、若返りを図ったチーム作りをしてきました。そこに今年39歳になる鳥谷が入団する。それに井口監督との関係を考えると縁故入団と受け取る選手がいるかもしれない。要は開幕を前に余計な波風を立てたくなかったのでしょう」(スポーツ紙記者)

 しかも、鳥谷獲得の本命球団と見られてきたロッテだが、実際は獲得に乗り気ではなかった。

「ある球団幹部は当初から鳥谷を獲得する気はないし、井口監督からの要望もないと否定していました」(球団関係者)

 ネックになったのは年齢だけではなく、年俸面だった。鳥谷はセ・リーグ移籍にこだわりDeNAとは最終的な詰めまでいったという。しかし、鳥谷サイドが年俸1億円のラインを譲らず、DeNAの提示した3000万円とは溝が埋まらず決裂したという。鳥谷の獲得を検討した各球団も年齢に年俸面がひっかかり撤退する方向に舵を切った。そんな中、なぜロッテが獲得に動いたのか。

「キャンプが始まると、遊撃筆頭候補の藤岡は昨年のけがを引きずり、平沢は2軍スタートで、内野ならどこでもOKの三木は二軍で調整中。新人の福田光も評価は高いが新人に頼れない。結局、FAで楽天に移籍した鈴木大地の抜けた穴が目立つようになり、鳥谷に白羽の矢を立てざるを得なかったんです」(前出・球団関係者)

 石垣島キャンプ中の2月中旬には同島で球団幹部と鳥谷が入団を前提に会談したという。両者の思惑が一致したわけだが、ロッテはやはりここでも縁故入団と見られるのを嫌って、あくまで一からのスタートの位置づけとしている。数々の記録を打ち立てた鳥谷。年俸が一軍最低保証になっても現役を続行するのは「古巣の阪神を見返したい」の一念だという。

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