2月3日、サッカーJリーグ・浦和レッズの立花洋一社長と、レッズでプレーした経験がある元選手の内舘秀樹、室井市衛、堀之内聖、そして地元の議員が、埼玉高速鉄道の延伸と埼玉スタジアム近くに駅を設置する嘆願書を埼玉県とさいたま市に提出した。嘆願書に署名した人は2万3354人にものぼった。
埼玉高速鉄道は赤羽岩淵駅(東京・赤羽)と浦和美園駅(埼玉・さいたま市緑区)を結ぶ埼玉高速鉄道線を運営。「埼玉スタジアム線」の愛称からもわかるように、埼玉スタジアムでサッカーの試合が行われる際の主要なアクセス機関となっている。
「ただ、観客の評判はいまひとつ。埼玉スタジアムの最寄り駅である浦和美園駅からスタジアムまで約2キロも離れているからです。一応、駅からスタジアムまでバスが出ていますが、バス待ちの時間がもったいないので、ほとんどのサポーターは歩きますね。日本代表の試合もよく行われますが、歩くのが嫌で埼スタには行きたくないという人もいます」(スポーツ紙記者)
そこで埼玉スタジアムの近くに駅を新設してほしいという声が上がっているわけだ。浦和レッズは同スタジアムをホームとするチームとして、サポーターの声に応えようということだろう。
さらに新駅の設置と合わせて浦和美園駅からさいたま市岩槻区、隣の蓮田市まで延伸してほしいとの要望も含まれている。
「実現すれば埼スタの北に住んでいるサポーターはかなり行きやすくなります。また通勤利用も見込めるでしょう。レッズのサポーターだけでなく地域住民にも利点はある。早く延伸してほしいですね」(鉄道ライター)
アクセスがよくなれば、現在減少傾向にある浦和戦の観客が増えるかもしれない。チームにとっては切実な願いといえるだろう。
「延伸に関しては、サポーターにとってユニークな利点もあると言われています。それはライバルである大宮を通らなくていいというものです」(スポーツライター)
仮にさいたま市岩槻区のサポーターが鉄道で埼スタに行くとしよう。今なら岩槻駅から東武アーバンパークラインで大宮駅へ行き、そこから京浜東北線で南浦和駅へ。武蔵野線に乗り換えて東川口駅へ行き、そこから埼玉高速鉄道で浦和美園駅に到着する。
ところが埼玉高速鉄道が延伸すれば、岩槻駅から埼玉高速鉄道で浦和美園駅へ一本。乗り換えが少なくて済むだけでなく、大宮を通らなくていいのだ。ご存知のように、大宮は大宮アルディージャのホームタウン。浦和サポとしては大宮を通らなくて済むのであればそれに越したことはない。
浦和サポーターにとって利点しかない埼玉高速鉄道の延伸と新駅設置。問題はそれがいつ実現するかということだ。