サッカー国際試合で「バカ」連呼、和服着用で警察に連行…激化する中国の日本叩き!

 中国による日本叩きが止まらない。

 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、中国は8月24日から日本の水産物輸入を全面停止した。結果、9月18日に発表された中国税関総署による貿易統計によれば、8月時の日本からの輸入水産物総額は1億4902万元(約30億円)に留まり、これは前年同月比67.6%減だとされる。

 そして今では、海産物の輸入禁止に留まらず、様々な方面へと飛び火しているようだ。

 その1つが、20日に中国・武漢で行われた、サッカー「AFCチャンピオンズリーグ」での、浦和レッズ対武漢三鎮戦だった。現地で取材にあたったスポーツ紙記者が当日を振り返る。

「日中関係の緊張が続く中での試合とあって、あの日は試合前から会場全体がピリピリムードでした。スタンドには、処理水放出に抗議する意味なのか『海が泣いている』と、中国語と日本語で記したメッセージを掲げるサポーターの姿もありました。そして、試合が始まると、『武漢三鎮』というチーム名が入った青いレプリカユニフォームを着た中国人サポーターたちが突然、日の丸を掲げた浦和サポーターらの方を指差して、拳を振り上げ太鼓を叩きながら、『バカ、バカ、バカ!』と日本語で叫びだしたんです。当然、この様子はリアルタイムでSNSにアップされたのですが、中国国内でも《よくやった!》という声と《さすがにやり過ぎだろ》との声が上がるなど、波紋が広がっているようです」

 FIFA(国際サッカー連盟)は、試合中だけでなく、試合前後もスタジアムおよび、その周辺での政治的行為を禁止している。そのため、今回の行為が規定違反になる可能性は十分考えられるのだが、

「『バカ』の連呼もさることながら、試合後にアップされたSNS動画によれば、スタジアムの外では日の丸に火がつけられ燃やされる騒ぎも起こっていたようです。近年では2012年の日本による尖閣諸島国有化の際も、反日ムードが高まって同様の騒動が起こったことがありましたが、今回はそれ以上に過激になりつつある印象がありますね」(前出・記者)

 さらに、反日ムードは衣類にも及んでおり、中国政府は「国民の感情を傷つける服装の禁止」を盛り込んだ法改正案を公表した。「国民の感情を傷つける服装」とはどんなものかといえば、「和服」なのだという。

「日本の浴衣を着ていたというだけで『騒乱挑発罪』で警察に連行されたり、アニメのコスプレを楽しむ若者が警察沙汰になる騒ぎが起こっています。ただ、着ているものだけで騒乱挑発罪を適用するのはさすがに無理があったのでしょう。そこで中国政府は、言動や服装が『中華民族の精神を害する』もしくは『国民感情を傷つける』と見なされた場合、罰金刑や禁錮刑の対象となる、とする法律を新たに作ろうとしています。その服装に和服が含まれるようですが、法文に明記されていないこともあり、解釈や適用の判断があいまい過ぎるという指摘もありますね」(社会部記者)

 違反すれば最大で10日以上15日以下の拘留と5千元(約10万円)以下の罰金が科されることになるというこの法案。政府は9月末まで国民の意見を募集しているとされるが、果たしてその行方は…。

(灯倫太郎)

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