英国の調査組織「Sporting Intelligence」が12月24日、世界のプロスポーツ選手が受け取る年俸をリサーチし、スポーツチームごとの平均年俸をランキングで発表した。
アメリカンフットボールや野球、クリケットといった世界規模のあらゆるプロスポーツを対象に行った今回の調査には、日本のJリーグも含まれており、国内リーグ全体の選手1人当たりの年俸額は約3574万円と算出。また、年俸総額をチーム内の登録人数で割ったクラブの平均年俸ランキングでは、首位がヴィッセル神戸(約1億7200万円)となり、2位に浦和レッズ(約4890万円)、3位にサガン鳥栖(約4710万円)と続いている。
「ドイツ代表としてW杯を制した経験を持つルーカス・ポドルスキに加え、スペイン代表の主軸だったアンドレス・イニエスタやダビド・ビジャなど、スーパースターを擁するヴィッセル神戸が断トツの首位となったことは理解できますが、このランキングでは平均年俸額と実際のJリーグでの順位が全く比例していないクラブも見受けられました。例えば、2位の浦和の3.5倍もの資金を投じている神戸は今季の戦績を14勝5分15敗の8位で終え、それに次ぐ高額年俸の浦和に至っては9勝10分15敗で14位に沈んでいます。さらに平均年俸額3位のサガン鳥栖もJリーグでは15位で、名古屋グランパスも年俸ランクでは5位と“健闘“しましたが、ピッチ上では不甲斐ないパフォーマンスとなり、9勝10分15敗の13位でした。つまり、今季は選手へのサラリーにお金をかけたクラブほど、皮肉にも満足のいく結果を得られなかったという傾向が見られたんです」(スポーツライター)
その一方で、“コスパ抜群“として称賛を集めているチームもあった。
「今季のJリーグで素晴らしいパフォーマンスを見せて優勝を遂げた横浜F・マリノスは、平均年俸ランキングでは18チーム中の12位で、約2210万円とその費用は比較的抑えられています。神戸の1億7200万円、浦和の4890万円に比べても、マリノスの健全なビジネスは際立っていると言えますね。さらに、最も安い平均年俸となった約772万円の大分トリニータもJリーグでは12勝11分11敗の勝ち点47で9位につけ、サポーターからも『大分は1000万円にも満たない状況で大健闘と言える』『大分、この金額であの順位は凄い…』『やっぱり金の問題じゃないんだな』と評価する声が寄せられています」(スポーツライター)
高額の年俸を受け取ることの慢心があったのかは分からないが、上位チーム所属のプレーヤーたちは来季こそ値札に見合ったパフォーマンスを見せ、その価値を再び証明する必要があるのかもしれない。
(木村慎吾)