NHKに続き民放キー局も“ネット同時配信”で激変する「テレビ視聴」

 2月1日、民放キー局5局が今秋以降、テレビ放送と同時にインターネットで番組を配信する方向で準備していることが分かった。しかし、これには地方の系列局から反発を受けることも予想されており、今後は慎重な調整が必要となる。
 
「民放各局はネットへの同時配信に対しては採算が合わないと否定的なところも多かったようですが、昨今のテレビ離れや3月からNHKが同時配信を開始することもあって、キー局が揃ってチャレンジすることを決めたといいます」(経済ジャーナリスト)

 ただし、同時配信するのはすべてのテレビ番組ではなく、ゴールデンタイム(19時〜22時)やプライムタイム(19時〜23時)に限定して放送することを検討しているという。
 
「キー局が時間帯を限定して同時配信するのは、全番組を配信すると費用がかさむという面もありますが、地方の系列局に配慮したという面も大きいでしょう。地方ではテレビ局の数が少なかったり、関東限定の番組が見られなかったりしますが、同時配信によってキー局5局の番組がパソコンやスマホ、タブレットで見られるようになってしまう。となると、地方の系列局では視聴率が取れなくなってしまい、系列局の制作するニュース番組やバラエティ番組ではスポンサーが付かないという現象が起こりかねませんからね」(ITジャーナリスト)

 テレビ視聴の価値観がまた変わりそうだ。

(小林洋三)

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