香川県議会が今年4月の施行を目指している、ゲームやスマートフォンの利用を制限する「ネット・ゲーム依存症対策条例」に対し、1月31日には高松市に住む高校生が約600人分の反対署名を提出するなど物議を醸している。
「条例の素案では、18歳未満のゲームプレイ時間を平日60分、休日90分と定めており、またスマホの使用も中学生以下は午後9時まで、高校生は午後10時までとなっています。この条例が検討されている背景としては、昨年5月25日に世界保健機関(WHO)がゲーム依存症を国際疾病として正式に認定したことがあり、現在ゲーム依存症は世界中で大きな社会問題となっているのです」(社会部記者)
なお、すでに韓国では16歳未満は深夜0時から朝6時までオンラインゲームを禁止する制度を導入しており、中国でも昨年11月、18歳未満は夜10時から朝8時までオンラインゲームのプレイを禁止したり時間制限を設けると発表するなど、国を挙げてゲーム依存に歯止めをかける動きを見せている。
「子供たちが時間にとらわれずゲームをやりたいのは当然のことで、条例には香川県の未成年だけでなくネット上でも多くの批判が寄せられていますが、子を持つ親からは賛同する意見も少なくないのです。というのも、『子供がゲームをやりすぎている』『スマホを見すぎている』と感じている親はかなり多く、『注意してもやめてくれない』と悩んでいるケースもよく聞かれます」(教育ジャーナリスト)
そのため、「県が禁止にしてくれた方が子供に注意しやすい」「自分だけじゃなく、他の子供もやっていない方が受け入れやすい」「なんでもかんでも親の責任と言われるのはツラいから、条例で禁止してくれるのは助かる」などの意見も少なくないのだという。
ゲーム依存症問題は、すでに家庭だけでは解決できないものになっているのかもしれないが、果たして今回の動きは、どういった結末を生むのだろうか。
(小林洋三)