文具メーカー「ぺんてる」をめぐり業界1位の「コクヨ」と2位の「プラス」が争奪戦を繰り広げている中、ぺんてるは12月13日、プラスがぺんてる株の30%を取得したことで現経営陣を支持する側が株の「過半数を獲得した」と発表。コクヨの敵対的買収は失敗に終わったことが明らかになったが、まだ予断を許さない状況にあるという見方も少なくない。
「今年5月、コクヨがぺんてる株の37%を持つ『マーキュリアインベストメント』傘下の投資ファンドを子会社化したことで、コクヨはぺんてるの筆頭株主となりました。しかし、これに反発したぺんてるがプラスとの業務提携を画策していたため、コクヨは敵対的買収によってぺんてるを子会社化する方針に転換。しかし、プラスがホワイトナイト(有効的買収)となってぺんてる株を30%取得したことで、コクヨは45%の株式を保有しているものの敵対的買収は失敗に終わり、ぺんてるが『コクヨとの間でおこなわれてきた協力関係構築に向けた協議を中止する』と発表するに至りました」(全国紙記者)
こうした動きにネット上では、《株の45%を保有しているなら、流れがコクヨに傾く時が来るのでは》といった波乱を予測する見方が多く上がっている。
「コクヨはあと5%の株式を取得することができれば、ぺんてるの議決権を握ることができることから、このまま諦めることはないでしょう。今後はぺんてるとプラスがどのような協力関係を築いていくのか。一歩でも間違えば、コクヨに寝返る株主も出てくる可能性も十分にあるので、慎重な対応が必要になってくると思われます」(経済ジャーナリスト)
2020年もコクヨ、ぺんてる、プラスの三つ巴の争いは続きそうだ。
(小林洋三)