「スクエニ」“買収報道”否定もゲームファンに飛び交う憶測と懸念

 スクウェア・エニックス・ホールディングス(HD)は「複数の買い手候補が関心を示している」と報じられた買収疑惑に対して、これを否定するプレスリリースを発表したが、ネット上では様々な憶測が飛び交っている。

「15日、米経済メディア『CTFN』が銀行関係者からの情報をもとにスクウェア・エニックスHDの買収に興味を持っている複数の候補がいると報じ、大手総合情報サービス『Bloomberg』もこれを引用する形で紹介しました。この報道を受け4月16日のスクウェア・エニックスHDの株価は終値で前日比12%高と急騰したため、同社は『複数の買い手候補が当社に対して関心を示している旨の報道がなされましたが、当社が発表したものではありません。 当社内にて、当社若しくは一部事業の売却に関して検討している事実はなく、そのような 提案を受けた事実もございません』と完全否定したのです」(ITジャーナリスト)
 
 これにネット上では《火のないところに煙は立たないというが、スクエニには日本のゲーム産業を守ってほしい》《こういった買収話って最初は否定するけど、大体は報道通りになるよね》《あの東芝ですら買収話が出るくらいだから、スクエニにそういう話があっても驚きはない》《日本企業に続々と買収の噂が出てるが、この国はどんどん弱体化しているのか》など買収が事実ではないかと疑う声が相次いでいたのだった。

「スクエニは2月3日に発表した2021年3月期第3四半期決算短信(20年4月1日~21年12月31日)で売上高が2536億4300万円、営業利益が410億2200万円、経営利益が387億300万円となり、新型コロナウイルスの巣ごもり需要や人気タイトルのヒットもあって黒字転換に成功しています。そのため、このタイミングで売却はあまり考えられないような気もします。ただ、かつてライバルだったスクウェアとエニックスが合併した経緯を考えると、突然の買収成立というダイナミックな出来事があっても不思議ではないかもしれませんね」(ゲーム誌ライター)

 ゲームファンとしてはスクエニの海外流出は避けてほしいところだが…。
 
(小林洋三)

ビジネス