ドイツのフランクフルトに所属する日本代表FW鎌田大地が11月29日、ヨーロッパリーグ・グループステージ第5節のアーセナル戦に先発出場し、逆転勝利の立役者となった。
同胞で元日本代表キャプテンの長谷部誠と共にスターティングメンバーに名を連ねた鎌田は、1点のビハインドで迎えた後半55分、敵陣ボックスエリア手前でボールを受け、右足で華麗にターンすると、立ちはだかる複数のディフェンダーを素晴らしいステップワークで翻弄。最後は左足をひと振りし、ボールはゴール右隅へと吸い込まれていった。
アディ・ヒュッター監督も思わず拍手した鎌田のスーパーゴールだが、9分後にもこの23歳のサムライは覚醒。コーナーキックからのこぼれ球を右足で冷静にトラップし、ボックス外から地を這うグラウンダーシュートを放つと、これがチームに逆転での勝利をもたらす貴重な決勝弾となったのだ。
「結果、フランクフルトは敵地エミレーツスタジアムで行われた強豪アーセナルとの試合を鎌田の2ゴールのおかげで2-1の逆転勝利。敵地での一戦ながら、わずか9分間で2ゴールを奪った圧巻のパフォーマンスにはドイツ最大手紙『BILD』も“鎌田こそ王様“と題して、『劇的な逆転勝利の中心人物であり、主人公は鎌田大地だろう』と絶賛。敗れたアーセナルのお膝元である英国メディア『sky SPORTS』も鎌田に最高評価を付すと共に、この一戦のMVPに選出しました。また、1点を先制しながらも苦戦し、最終的に鎌田から2点を奪われたアーセナルの指揮官ウナイ・エメリは、直後に解任されてしまった。それほどまでに、この鎌田の活躍は衝撃的なものだったということでしょう」(スポーツライター)
日本のサポーターからも「特に1点目は凄かった。アジアのレベルではなかった」「素晴らしい。フランクフルトのエースにのし上がってほしい」「なかなかエグいシュートだった。楽しみな選手だ」と称賛の声が並び、23歳とまだ若い鎌田の将来性に期待している。
とはいえ、今季はまだブンデスリーガでの得点はなく、絶対的なエースとしての立場を確立できていない鎌田。この2つの圧巻のスーパーゴールを機に、ドイツ国内リーグでも大暴れしてもらいたいところだ。
(木村慎吾)