名波浩氏の日本代表コーチ就任に不安の声が出るワケ

 日本サッカー協会は1月17日、次回W杯が開催される26年まで続投が決定した森保ジャパンの新コーチとして、名波浩氏が就任すると発表した。かつて日本代表で10番を背負ったファンタジスタの入閣に日本代表躍進の期待が高まるが、その一方で指導者としての手腕には疑問の声も上がっている。

「オンライン取材に応じた反町康治技術委員長は、名波氏のコーチ就任は森保一監督の意向を最優先したものだという。選手として活躍しただけではなく、監督としてもJリーグ通算227試合の指揮を執るなど現場経験も豊富な点から、日本代表に良い影響を及ぼしてくれると期待を口にしました。また、名波氏の他にも元日本代表の前田遼一、斉藤俊秀の両氏もコーチを務めることが発表されています」(サッカーライター)

 名波氏はジュビロ磐田黄金期を支えた天才レフティー。イタリアのベネチアでプレーした経験も持つため、海外組との意思疎通もスムーズに行えるとみられる。日本代表としてもW杯フランス大会に出場。同氏を日本代表の歴代ナンバーワン司令塔と評価する声もあり、選手たちからの人望も厚い。プレーヤーとしてのキャリアには文句の付けようがないが、その一方で指導者としての経歴を不安視する声もある。

「ジュビロ磐田がJ2に降格した14年にシーズン途中で退任したペリクレス・シャムスカ氏の後任として初めて監督に就任すると、翌15年にはJ1昇格を見事成し遂げ、17年にはJ1で6位までチームを押し上げました。しかし、それ以降は振るわず、19年には成績不振を理由に監督を辞任すると、チームは最下位で再びJ2に降格。その後、21年に松本山雅の監督にシーズン途中で就任しますがチームはJ3に降格、その翌年もJ2へ復帰させることが出来ないまま退任しています。名選手は名監督にあらずと言われますが、名波氏の監督としての手腕にはサポーターたちからも賛否がありますし、日本代表のコーチとし本当に適任か厳しい目が向けられることになるかもしれません」(サッカージャーナリスト)

 監督とは役割が異なるが、テレビ解説などで見せる名波コーチの高いコミュニケーション力に期待したい。

(小林洋三)

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