韓国メーカーへ逆襲!?出光と東レが「次世代有機EL」の開発に成功

 11月25日、出光興産と東レは、共同開発する有機ELパネルを発光させるのに使う新素材で、世界最高レベルの発光効率と寿命を達成したと発表した。22年の発売を目指す方針で、ネット上では多くの期待の声が上がっている。
 
「出光と東レは17年から有機EL向けの新素材の開発で業務提携し、共同研究を進めてきました。今回発表した新素材は粉末状のもので、既存素材とは違って『熱活性化遅延蛍光材料』を用いることでレアメタルを使用していないため、そのぶん生産コストを抑え、発光効率や表現できる色の幅を高めることができたといいます」(経済誌記者)

 この発表に対しネット上では、《液晶は海外に持っていかれたが、有機ELで日本が復活して欲しい》《国産半導体やディスプレイの復活を望む!》《これぞ日本の技術力。世界に対して巻き返しを期待したい》など、技術大国日本の復活を期待する声が多く見られた。
 
「有機ELの開発は、ほぼ国策のような形でジャパンディスプレイやJOLEDが支援を受けてきましたが、今では世界のシェアの大半を韓国企業に奪われている状況。現在開発中と言われるアップルのiPhone12は全モデルで有機ELは採用されるとの話もあり、その市場は25年には5兆円以上の規模にまで需要が高まると見込まれています。今回発表された新素材で、再び日本が有機ELをリードできるようになればと期待が膨らみます」(経済ジャーナリスト)

 技術を盗まれないように、引き続き慎重に開発を進めていただきたいところだ。

(小林洋三)

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