青春18きっぷとの違いはここ!JR東日本の新きっぷ「のんびり旅パス」の楽しみ方

 仕事を引退したシニア層にうってつけの「乗り放題」きっぷが、JR東日本より6月18日から発売された。

「東日本のんびり旅パス」は、JR東日本管内の普通、快速列車自由席が平日を含む連続3日間が乗り放題になる。発売額は9000円で、大人も子どもも同額。利用開始日の1カ月前から当日まで「えきねっと」で購入でき、駅窓口では扱わない。購入後は指定席券売機で発券が必要となる。

 利用期間は2025年7月1日から12月26日まで(ただし8月10日~19日は除外)。上記列車の他、気仙沼線・大船渡線BRT(バス高速輸送システム)が乗り降り自由になる。ただし新幹線や特急列車、普通・快速列車のグリーン車指定席は利用できない。グリーン車自由席に乗りたい場合は別途グリーン券を追加購入すればOKだ。

 利用者にとって気になるのは「青春18きっぷ」との違いではないか。青春18きっぷは春夏冬の「学休期」に限られるため、それ以外の平日の旅行に使えない。一方「のんびり旅パス」は通常期の平日もカバーするため、混雑の少ない平日に低価格で列車旅が楽しめるのがメリット。逆にエリアは全国からJR東日本管内に絞られるため、旅の範囲を東北や上越、新潟に限定できる人向きだろう。

 価格面では青春18きっぷ3日分の1万円に対して1割安い9000円。しかし、利用エリアをJR東日本に限定することを踏まえると、コストパフォーマンスは一長一短と言える。北海道&東日本パス(7日間1万1530円)と比べても、のんびり旅パスは期間が短く価格差も小さいため、単純な安さだけでは選ぶ動機に乏しい。

 発売方法にも差がある。青春18きっぷは駅窓口や旅行会社、ネットで幅広く購入可能なのに対し、のんびり旅パスは上記のようにえきねっと限定。ネット発券のハードルをクリアできなければ通常期の列車旅を手軽に楽しめない。

 結局、このパスは、関東甲信越から東北までJR東日本管内をのんびり回りたい人向けの新フリーきっぷと言える。平日利用可というメリットを生かし、リタイア世代や、すいている列車でゆったり旅したい層に最適だ。青春18きっぷの全国エリア&学休期限定とは異なる、新しい切符の選択肢として注目される。

(ケン高田)

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