総務省によると、世帯における情報通信機器の保有状況で、スマートフォンの保有率は90.6%に上り、さらに増加傾向にあるという。たしかに、電車に乗ると多くの人がスマホを見ており、うなずける数字といえるだろう。
またスマホの普及により腕時計をする人も激減しており、普段から腕時計をする習慣がある人は44%程度という調査結果もある。一方で、腕時計を所有している人は全体の90%以上というから、自宅に眠っている腕時計はかなりの数に上るのではないか。
となれば、腕時計を欠かさない人は、かなりのこだわり派ということになるが、実際、電車内では無言の「吊り革バトル」が連日のように繰り広げられているのだとか。
「バトルといっても別にケンカをするわけではありません(笑)。吊り革を持った際に、隣り合った乗客同士が腕時計をチラ見。『ロレックスのRef.16610か』『なんだ、パチものか』などと、無言のバトルを繰り広げるのです。希少価値の高い腕時計のほうがマウントを取りやすく、またパチモノユーザーが本物と隣り合うとさりげなく遠ざかるということも。もっとも、近年はアップルウオッチを着ける人も多く、彼らの多くは『我関せず』というスタンスを貫いています」(時計ライター)
言われてみれば、なんとなく他人の持ち物に目が行くことはある。見られる側からすれば、それが数十万、数百万円もする腕時計ならば、つい自慢したくもなるだろう。
庶民には縁のない話だが、一度くらいは「吊り革バトル」で勝利してみたいものである。
(ケン高田)