10月3日、女性向けブランド「23区」や「組曲」などを展開するアパレル大手のオンワードホールディングスが、2020年2月期の業績見通しを大幅に下方修正し、純損益が240億円の赤字になる見通しを明らかにした。また、国内外の600店舗を閉鎖するとの一部報道もあり、今年1月には“ZOZO離れ”の急先鋒としても注目を集めたが、一気に窮地に立たされた格好だ。
「不振の原因は、主要販路である百貨店販売の落ち込みにあります。今後は売上が大幅に伸びている自社ECサイト『オンワード・クローゼット』などデジタル分野に集中させるため、大幅な店舗の削減に取り組むと見られています」(社会部記者)
ただ、オンワードが11年ぶりに赤字に転落することに対し、ネット上では《今の時代、高い洋服は売れない》《「23区」はいいものが多いが、高すぎるから手が出ない》《オンワードのファミリーセールに行くと、定価で買おうとは思えない》など、オンワード系ブランドは高すぎるという意見が多く見られる。
「高いから服が売れないのではなく、ファストファッションの『フォーエバー21』が破綻したように、アパレル業界自体の市場規模が縮小傾向にあります。その原因として、『メルカリ』などフリマアプリで洋服を購入する人が増えていること、また最近では『エアークローゼット』など洋服レンタルのサブスクリプションサービスが人気になっていることも挙げられる。オンワードは店舗数を減らしてECサイトに注力するそうですが、自社ECだけでは新規顧客の獲得はなかなか厳しいものがあり『ZOZOTOWN』から撤退していなければ…なんてことにならなければいいのですが」(経済ジャーナリスト)
アパレル不況の中、日本の雄・オンワードの舵取りに注目が集まる。
(小林洋三)