「ZOZO」7年ぶり中国再挑戦で「EC大国を席巻」する可能性

 大手ファッション通販サイトの「ZOZO」は12月10日、中国版「ZOZOTOWN」を公開し、同日からサービスの提供をスタートさせたと発表した。
 
「中国版のサイトには日本に出店しているショップの全177店が参加するといいます。商品は日本国内にある物流センターで管理され、中国からの注文があればセンターから発送する仕組みになっており、中国への送料や関税などはZOZO側が負担するため出店ショップは追加コストなしに中国参入ができるのです。今後は参加するショップもさらに増えると見られています」(アパレル関係者)

 ZOZOは11年10月にも中国に進出していたが、1年少々で事業の伸び悩みを理由に撤退した過去がある。果たして今回の再進出には勝機があるのだろうか。
 
「成功する可能性は十分にあると思います。というのも、中国でのファッション消費額はZOZOが以前進出したときに比べ4倍も増えていると言われる。もともと中国ではファッションに無頓着な人が多かったのですが、ここ3年ほどでECサイトとモバイル決済が普及すると、『ミレニアルズ』と呼ばれる20代〜30代のデジタル世代の間で爆発的なファッションブームが巻き起こりました。20年の中国のファッション市場は100兆円を超える規模になるとも予想されているのです」(前出・アパレル関係者)

 また、今年11月11日実施された中国恒例の大規模セール「独身の日」では、ユニクロが10億元(約155億円)の売上を突破するなど、中国では日本のファッションへの注目度も高い。「今年9月にZOZOはソフトバンクグループに買収されたので、『ソフトバンク』や、引いては中国最大オンラインマーケットを持つ『アリババ集団』の協力が得られれば、ZOZOが成功を収める可能性は十分にあると考えられます」(ファッションジャーナリスト)
 
 ZOZO経由で中国行きする日本のブランドが増えるかもしれない。

(小林洋三)

ビジネス