「ZOZO離れ」が加速、急きょ講じた“ガス抜き対策”の効果は?

 ファッション通販「ZOZO TOWN」を運営するZOZOが先ごろ、10〜30%の割引を受けられる“ZOZOARIGATO”の割引表示の、表示・非表示を、出店するアパレル側が選べるようにしたと発表したが、効果はイマイチだ。

「“ZOZOARIGATO”は、年間3000円か月に500円の会員費を支払うと、全商品が初月だけ30%、それ以降は10%割り引かれるというサービス。割引分はZOZOが負担するのですが、普段から割引販売をしていないアパレルメーカーの反発を招き、“ZOZO離れ”を引き起こしたのです」(経済ジャーナリスト)

 ZOZOが発表した、割引表示をアパレルブランドが選べるというのは、いったいどういうものなのか。それまで「ZOZO TOWN」で買い物をしようした場合、“ZOZOARIGATO”の会員であろうとなかろうと、決済の前にARIGATOメンバーの割引価格も表示されていた。しかし今後は、メンバーでない人に対してはメンバー価格についてアパレル側が「表示する」「表示しない」「段階的に表示できる」の3パターンを選択可能になったというものだ。

「これは結局、ちょっとした設定を追加したというだけで、割引をやめるという話ではない。ブランドが問題にしているのは、価格の割引によってブランドイメージが損なわれる点であるため、根本的な解決にはなっていないのです。ちなみに、ZOZOは今回の方針を発表した直後、大幅に株価が回復しましたが、その後は反落しており、“効果は限定的”と見られているということです」(同)

 見かけのガス抜きだけでは、ZOZO離れは収まらないようだ。

(小島洋三)

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