3月16日に金沢―敦賀間が延伸開業を迎える北陸新幹線。これにより大阪発着の「サンダーバート」、名古屋発着の「しらさぎ」の両特急はいずれにも敦賀止まりとなり、同駅で新幹線に乗り換えて目的地に向かうことになる。
大阪―金沢はこれまで特急だと2時間42分かかっていたが2時間24分に、名古屋―金沢も2時間32分が2時間19分にそれぞれ短縮(※いずれも平均所要時間)。北陸がより近くなるのは利用者にとっては嬉しいことだが、引き続き高速バスとの接戦が予想されているのが名古屋―金沢。ただ、時間勝負なら北陸新幹線の圧勝だと思うが…。
「確かに、高速バスの平均所要時間は3時間35分で1時間16分も遅いです。しかし、高齢者の中には乗り換えや駅構内の長い移動を嫌がる人も少なくありません。実際、鉄道と高速バスの競合地域は全国各地にありますが、多少時間がかかっても目的地まで1本で行ける高速バスを選ぶ方が多いんです」(旅行誌編集者)
一方、大阪―金沢は以前から鉄道の圧勝が続いており、高速バスは運行本数自体も少ない。実は、平均所要時間が6時間とあまりにかかるため、利用を避ける人が多いのだ。
「必ず京都を経由するルートになっており、市内の混雑に巻き込まれて時間をどうしてもロスしてしまうんです」(同)
ちなみに運賃は大阪発着は2800~6000円、名古屋発着が3600~5500円(※出発日によって変動)。新幹線利用時の運賃・特急料金が大阪だと9410円、名古屋だと9080円と割高感があるのは否めない。
「大阪からは運賃が安くても時間がかかるので高速バスは敬遠されますが、名古屋なら料金と所要時間のバランスが取れています。特に若者は価格重視のため、多少遅くても結局は運賃が安ければそちらを選ぶでしょう」(同)
延伸前から決着がついている大阪―金沢に比べ、北陸新幹線延伸開業後も鉄道vs高速バスの激戦が予想される名古屋―金沢。ただ、利用者にとっては交通機関の選択肢が複数あるのは悪いことではないはずだ。