メッツ・藤浪晋太郎、日本でしくじった中継ぎライバルに弾き出される“使い勝手の差”

 米メディアがメッツの藤浪晋太郎について「開幕戦はマイナーで迎えそうだ」と伝えている。

「メッツでは3月11日(現地時間)のマーリンズとのオープン戦で、リリーバーの8人枠を争っているライバルのトンキンが好投し、藤浪はさらに厳しい状況となりましたね」(現地記者)

 ニューヨークの各メディアの話を総合すると、「リリーバー8人枠」のうち、6人は“内定”状態にあり、藤浪とトンキンらが「残り2枠」を争う図式となっている。他、その2枠を狙うアダムス、サルサーも好投を続けており、ピリッとしないのは藤浪だけだ。

「10日のタイガースとのオープン戦に登板した際には3分の2イニングで3安打2失点で敗戦投手になっている。その内容も打者6人に対し計25球を投じ、投げた瞬間にボール球と分かる投球が少なくとも10球。お世辞にも良いとは言えないものでした。13日のアストロズ戦では1回無失点に抑えましたが、次の登板を見てみなければ状態は分からない。メッツのリリーバーで一番速い球を投げているのは藤浪なのですが、今のところライバルたちも安心して見ているようです」(前出・記者)

 一方、トンキンは18年、日本ハムに所属していた。その後はマイナー、米独立リーグ、メキシカンリーグなどを渡り歩いたが、昨年途中、ブレーブスで約7年ぶりのメジャー復帰を果たしている。

「ブレーブスでは45試合に登板し防御率は4点台でしたが、2つの長所があります。一つは対右打者の被打率が1割9分台であること、もう一つはイニング跨ぎが可能であること。大半のリリーバーは1イニングをゼロに抑え、ベンチに帰ってくると集中力が途切れてしまうのか、イニング跨ぎを苦手としていますからね。要はベンチとしも使い勝手がいいんです」

 トンキンの日ハム最後の登板は18年クライマックスシリーズファーストステージ第2戦。ソフトバンクのデスパイネ、松田宣浩に連続アーチを浴び、これが響いてか契約更新に至らなかった。そんな日本球界でしくじった投手に、藤浪が追い込まれようとしている。

(飯山満/スポーツライター)

スポーツ