北陸新幹線延伸区間は3月開業!利用客増加が「被災地の早期復興」の一助になる

 3月16日に金沢-敦賀の125.1キロの区間が延伸開業する北陸新幹線。昨年12月29日から実際に使用されるW7系の車両での試運転が始まったが、そのわずか3日後に発生したのが能登半島地震だった。その影響が気になるところだが…。

「一部メディアが『JR西日本によれば、地震による試運転への大きな影響はない』と伝えていましたが、実際、トンネルが崩落、または橋脚が破損した等の発表がなかったことはひと安心と言えるでしょう。おそらく試運転と並行して、見えない部分に異常がないか精密検査を行っていると思われます。石川県内でも新幹線の沿線地域は被害が少ないため、大きな問題が見つからなければ予定通り3月開業になる見込みです」(鉄道ジャーナリスト)

 石川県の馳浩知事も1月10日の会見で、「延伸の開業日を遅らせてほしいと要望するつもりはありません」とコメント。その上で「奥能登は大変厳しいが、金沢市などの観光地で人の交流を絶やすことは考えていない。経済活動を通じて石川県を支えていただきたい」と語っている。

 ちなみに石川県の観光名所を調べると、松井秀喜ベースボールミュージアム(能美市)は被害なしで、兼六園(金沢市)は一部の灯篭などが崩れたもののいずれも現在は営業中。また、隣の富山県は白川郷と並ぶ合掌造りの集落で有名な五箇山(南砺市)で一部の建物が破損したが、見学は可能な状態であり、海王丸パーク(射水市)も13日から営業を再開している。福井県は、永平寺や一乗谷朝倉氏遺跡、東尋坊などの主要観光名所に被害は確認されていない。

「宿泊施設は石川県の加賀温泉郷(山代温泉、山中温泉、片山津温泉)で漏水や壁の崩落が一部確認されましたが、9割以上の旅館・ホテルは営業中か2次避難所として利用されています。休業しているところも2月上旬までには営業再開の予定ですし、能登半島を除く地域では地震前と変わらず宿泊できます。北陸新幹線の延伸区間開業にはまだ2カ月あり、被災地以外では、それまでに落ち着きを取り戻している可能性は高いでしょう」(前出・ジャーナリスト)

 義援金の募金も尊い行為だが、北陸新幹線延伸を機に当地を訪れ、宿泊や飲食などでお金を落とすことも立派な支援と言えよう。それが被災地の早期復興にもつながるはずだ

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