拍手喝采が止まらない。
今夏にベルギーのシント・トロイデンからイタリアのボローニャへと移籍した日本代表DF冨安健洋の評価が急上昇し続けている。
冨安はイタリア・セリエAの開幕戦から先発フル出場を果たし、幸先の良いシーズンスタートを切ると、続く第2節のスパル戦でもスターティングイレブンに名を連ね、90分間をフルでプレー。しかも、その2試合でイタリアのスポーツ紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」からチーム内の最高評価を得るオマケ付きだ。
弱冠20歳にしてすでに新天地ボローニャでの地位を確立したようにも見える冨安。9月8日には現地紙「Corriere di Bologna」の取材に応じた元イタリア代表FWファビオ・バッツァーニ氏が、冨安の働きぶりについて「彼の本来のポジションはセンターバックだが、ここまでの2試合では右サイドバックとして素晴らしいプレーを見せている。とりわけ、攻撃時の彼の貢献には非常に満足しているし、ボールコントロールの技術も素晴らしいね」と話し、若きサムライの活躍を称えた。
「バッツァーニ氏が指摘した通り、現在、冨安は本来彼が最も得意とするセンターバックのポジションではなく、右のサイドバックとして稼働し、チーム内MVPの評価を得ている状況です。スペインやイングランドでは最終ラインの両翼に配置されるサイドバックは“隠れウインガー”のような役割を託され、守備能力というよりも、マークが厳しくなる前線のウインガーを補助するための高い攻撃能力が求められますが、冨安が戦うイタリアではサイドバックは守備能力が突出していることが大前提。サイドバックにもセンターバック並みの守備力が求められる反面、攻撃時のドリブル技術などはそこまで高いハードルを設けられることはなく、この点は冨安にとってもプラスに作用するはずです。日本のファンからも『日本史上最高傑作のDFになりそうですね』『順調に成長していく姿が容易に想像できる』などと早くも今後の大成を期待する声が出ています」(スポーツライター)
188センチという日本人離れした体格と、複数のポジションを器用にこなすポリバレントな才能、つまりは柔軟性を持ち合わせる冨安。新天地にイタリアを選んだことは今後の成長に向けてポジティブな効果を発揮してくれることになりそうだ。
(木村慎吾)