鈴木宗男議員ロシア訪問で再注目 国後島の「ムネオハウス」は今

 所属する日本維新の会に事前の届出をせずにロシアを訪問した鈴木宗男参議院議員。帰国後、党が除名処分を検討する中、11日に自ら離党したことを発表し、連日その動向が大きく取り上げられている。

 かねてよりロシアと太いパイプを持つことで知られる宗男議員だが、22年2月にウクライナに軍事侵攻してからも一貫してロシアやプーチン大統領寄りの発言を繰り返している。現在は中断状態にあるが、北方領土ビザなし交流に尽力し、99年には交流団の宿泊場所を兼ねた交流施設「日本人とロシア人の交流の家」が国後島のユジノクリリスク(古釜市)に完成している。

 ちなみに、この交流施設の「ムネオハウス」という呼び名は、02年の衆議院予算委員会で施設建設をめぐる利益供与について宗男議員を追及した共産党議員が俗称として用いたのがきっかけ。当時は現地取材を行うメディアもあったが、あれから21年経った今、ムネオハウスはどうなっているのだろうか?

「ビザなし交流の宿舎として使用されたのは、19年9月に訪れた中高生や教育関係者で編成された訪問団が最後です。ただし、ウクライナ侵攻後に改装工事が行われ、その後ホテルとしてリニューアルオープンしています」(ロシア事情に詳しいジャーナリスト)

 実際、共同通信は昨年7月に「『ムネオハウス』営利転用 侵攻後、宿泊・飲食施設に」という見出しの記事を配信。客室は以前から設置されていた2段ベッドをそのまま使い、現地のロシア人向けの日本語教育に利用されていた教室は、テレビやバーカウンターを設置して食堂兼スポーツバーに生まれ変わった。

「現地にはお酒が飲める店が少ないため、地元の人たちの憩いの場になっているようです。今も宿泊施設として運用しているため、今後ビザなし交流が再開するとなれば訪問団はこちらに滞在することになると思います。でも、普段からホテルとして泊まれるのであれば、戦争終結後はこれ目当てに訪れる日本人観光客が増えるかもしれません」(同)

 ムネオハウスはまさかの〝ムネオホテル〟に進化していたようだ。

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