北海道新幹線や北陸新幹線などJR東日本管内の新幹線では、グリーン車よりさらに上の最上級シート「グランクラス」が導入されている。実は、JR東海でも昨年10月、東海道新幹線にグリーン車のさらに上の「上級グリーン車」(仮称)の導入を検討中であることが発表された。
だが、あれから1年が経とうとしているが正式決定されたとの発表はなく、上級グリーン車に関する続報もまったく聞かれない。ネット上では《検討の結果、やっぱり導入しないってパターン?》なんて声も出ているが、鉄道関係者の間では今年4月から6月にかけて試験的に導入した「EXグリーンプラスワン」が上級グリーン車に相当するとの見方もある。
これはsuicaなどのICカード乗車の限定商品で、グリーン車の通路側・窓側の2席を1人で占有できるというもの。料金は片道2万3860円で、新幹線のぞみ号の東京—新大阪のグリーン車1席分の総額料金(1万9590円)より4270円上乗せするだけでお得感は大きい。しかし、上級グリーン車だとすれば、正直期待外れな感は否めない。
「EXグリーンプラスワンの登場に落胆したという意見も一部でありますが、業界関係者の間では『上級グリーン車は別物』との見方が占めています。東海道新幹線の場合、1編成16両のうち、3両がグリーン車です。そのうち1両を丸ごと上級グリーン車、もしくは既存のグリーン席と混在のいずれかのケースが考えられます」(鉄道専門誌編集者)
ところが、上級グリーン車の導入について微妙な反応なのが芸能界。大手プロダクション幹部はその理由を次のように明かす。
「タレント側は歓迎していると思いますが、交通費を負担しなきゃいけない事務所やテレビ局にとっては経費が膨らむだけですから。特に吉本(興業)さんみたいに東京・大阪を行き来する売れっ子を大勢抱えるところは戦々恐々としているはずです」(大手プロダクション幹部)
今のところ、導入時期は未定だが、仮に導入された場合、芸能人の〝格〟によって線引きが行われるはず。誰が上級グリーン車に座れて、誰が座れないのかは気になるが…。
※写真はのぞみ号グリーン車