藤浪晋太郎は大谷翔平に代わって主役を張ることができるのか。
9月20日(日本時間21日)の対アストロズ戦、オリオールズがサヨナラ負けを喫した。オリオールズはすでに地区優勝を決めているので勝敗は関係ないが、心配なのはこの日、8回から3番手でリリーフ登板した藤浪だ。
打者3人に投げて、四球2つ。計12球を投じたが、ストライク・コールされたのは、たった1球だけだった。
「対戦した2人目のバッターにジャストミートされたんですが、セカンドライナーでした。二塁手の守備範囲だったから良かったものの、安易にストライクを取りに行った棒球でした」(現地メディア)
前回登板の18日(同19日)も3失点と振るわなかった。
9月に入り「7試合連続無失点」を続けていたが、ここ2試合は元に戻ってしまった。ノーコン病も再発しており、これではチームが再び“本気モード”となるポストシーズン・マッチでは「藤浪の登板はナシ」なんてことにもなりかねない。
「藤浪はマウンドで実際に投げてみないと好不調が分からない投手です。ブルペンでは100マイル(約161キロ)近い剛球をガンガン投げ込んでいたかと思えば、マウンドではストライクが全然入らず、力をセーブした変化球を狙い打ちされたり。この2試合をみる限り、MLBデビューした当時のそんな投球をしていました」(前出・同)
絶好調だった9月前半の疲れが出てきたのだろうか。やはり、ポストシーズンでの登板は怪しくなってきた。
「20日のアストロズ戦での降板が気になります。2つ目の四球を出した時点で、ハイド監督は投手交代を告げました。『今日の藤浪もダメだ。精神的ダメージを負う前に交代させよう』と判断したのでしょう」(在米ライター)
つまり、オリオールズ首脳陣の信頼をまだ得ていないということだ。日本のファンは大谷が離脱し、「藤浪がポストシーズンを勝ち上がり、ワールドシリーズの大舞台で…」という夢も抱いていた。次の登板では好調時のピッチングを取り戻せるのか。3度続けて失敗となれば、藤浪も今シーズン終了ということだろう。
(飯山満/スポーツライター)