巨人スカウトの本命はほかにいた?
野球・ワールドカップU-18大会で日本が台湾代表を破り、初優勝を飾った。「投のヒーロー」が先発・前田悠伍投手(大阪桐蔭)なら、「打のヒーロー」は、この日4番・DHを務めた武田陸玖(山形中央)だろう。
開催地となった台湾にスカウトを派遣したのは巨人。関西地区担当の渡辺政仁スカウトが台湾入りしたことで、
「ドラフト1位の本命は大阪桐蔭の前田では? 巨人は昨年もU-18米国大会に中国・四国担当スカウトを派遣し、その流れで浅野翔吾を指名しました。今回も前田がメインでしょう」
との見方が支配的だが、新たな情報も飛び込んできた。
「U-18入りした何人かの有望球児が進学を希望しています。巨人が台湾入りした目的は前田クンの視察だけではないようです」(関係者)
巨人は4番を任された武田に対しても、「特A」の評価をしているそうだ。夏の甲子園の山形県大会には編成幹部も現地入りしていた。
「武田は左投げ左打ちの二刀流です。一塁、外野の守備もできますし、どの球団も投打ともに高く評価しています」(前出・関係者)
投げるだけではなく、守備や打撃でも起用できる選手を集めたのが、今回のU-18メンバーでもある。
また今回、台湾に派遣された渡辺スカウトは元投手で、左投手を見極めることに定評がある。その意味からも、同スカウトを派遣した目的は前田の視察だけではなく、武田の最終評価を下すためだったのかもしれない。
「武田は4番に入ったのに、馬淵史朗代表監督(明徳義塾)の出した送りバントのサインに応えてみせました。打撃センスは強化合宿中、馬淵監督を唸らせたほど」(前出・関係者)
前田、武田の2人はまだ進路表明していない(9月13日時点)。U-18メンバーたちは進路に関する情報交換も大会中に行っていたという。
ここにきて「進学を希望する甲子園ヒーローたちが多い」との情報が入ってきたが、その通りだとすれば、指名リストを書き換えざるを得ない球団も少なくないだろう。
(飯山満/スポーツライター)