これって、例の試合が影響しているんじゃないか? 巨人・原辰徳監督が二軍調整中のベテラン・丸佳浩の再昇格の時期について、“自己申告”で決める旨を明かした。「状態が良くなったら直接連絡してきてくれ」と丸自身に伝えたのは既報通りだが、「外野の定位置争い」、及び一軍登録枠争いはさらに激化していきそうだ。
「今、外野手でレギュラーだと言い切れるのは、秋広優人だけ。ルーキーの浅野翔吾も一軍を経験し、丸と入れ替えで一軍のチャンスを得た岡田悠希も頑張っています。ファームではオコエ瑠偉のヤル気が続いており、重信慎之介、長野久義、ブリンソンらも…」(スポーツ紙記者)
自己申告で一軍復帰の時期が決まるという事は、裏返せば、昇格後に結果が出せなければ全ては自己責任となる、ということだ。丸も「このままではヤバイ」と思ったはずだが、巨人外野陣が危機意識を持ち始めたのは、そんな原監督の発言のせいだけではないという。
「5月30日、3軍が社会人のENEOSと試合をしました。ENEOSには、ドラフト上位指名が予想される度会隆輝外野手がいます。2年連続橋戸賞、ベストナインにも選ばれたスラッガーです」(アマチュア野球担当記者)
昨年のドラフトで、1位・浅野、2位・萩尾匡史と上位で外野手を2人指名した。2年連続して同年代の外野手を指名するのは考えにくいが、
「巨人スカウト陣が度会に興味を持っているから、試合を組んだ」
との見方もされている。その考えを現・巨人外野手陣も共有しており、彼らの危機意識につながったというわけだ。
「近く、萩尾を一軍に推薦するとの情報もあります。浅野はこれからだけど、ドラフト1位選手なので大事に育てていくでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
度会のいるENEOSは都市対抗2回戦で敗れたが、「1位もあり得る上位指名候補」の高い評価は変わっていない。巨人が度会を指名すると、現外野陣はさらに厳しい生存競争下に置かれるだろう。
ちなみにだが、ENEOSの度会は元ヤクルト・度会博文氏のご子息である。
(飯山満/スポーツライター)