俳優の梅沢富美男(72)が4月10日放送の「バラいろダンディ」(TOKYO MX)に出演。芸能界においてのハラスメントについて、熱く持論を展開した。
番組では、現在公開中の映画「シン・仮面ライダー」の制作現場に密着したドキュメント番組の中で、監督を務める庵野秀明氏がスタッフに対して厳しいダメ出しをしていたことが「パワハラではないか」などと視聴者の間で物議を醸したことを取り上げた。このテーマをきっかけに、芸能界でのハラスメント事情について梅沢はこう断言する。
「ひとつ、私の意見だと思って聞いてちょうだい。パワハラだどうのこうのっていうのは、芸能界じゃ通用しないんだよ。なんで通用しないかというと、それを商売にしている人がたくさんいるの。イジってもらってなんぼって。おバカキャラの子が、おバカキャラをイジってもらえなかったら商売になんないでしょ。おデブキャラの子もそうでしょ。今“ブス”って言うのもいけないんだろ?その、まずい顔、それを売り物にしている人がいるからさ。美人がいて、そうじゃない人がいるからひとつのネタになるんじゃない? それをイジったらパワハラだのモラハラだのって…芸能界じゃそんなの通用しないよ。だからいろんな番組を作っていてもみんな同じような番組になっちゃう」
テレビ出演者同士による“イジり”も、ハラスメントと捉えられてしまう昨今のテレビ業界に嘆き節の梅沢。さらに番組MCのふかわりょうが「制作現場ではどうか?」と聞くと、俳優としての長年の経験をもとに持論を語った。
「役者ってのは、自分の中で『これは良い芝居したな』ってシーンがあるんだよ。でもそれは、監督が気に入らなかったらぷっつり切っちゃうんだよ、編集で。無かったことになるんだ、その芝居は。そういう仕事をずっと続けているのが芸能人なんだよ。自分たちがやって満足したってダメなんだよ。監督が満足しなきゃ。しょうがないだろ、嫌なら出なきゃいい。出るんだったら、監督の言うこと聞くしかないだろ」
梅沢の熱弁にネット上の視聴者からは《いいぞ梅沢よく言った!コンプラのせいでテレビはつまらなくなってる》《テレビも映画界もコンプラがすべて台無しにしたよな》と、賛同する声も聞かれたが、《まさに老害って感じの意見》などと、時代にそぐわない考え方を非難するコメントも見受けられた。コンプライアンスに配慮した上で面白いエンタメを作ることが、今後業界では課題になりそうだ。
(浜野ふみ)