「シン・仮面ライダー」公式Twitterが「PG12」区分への理解を促したワケ

 庵野秀明氏が脚本・監督を務めた現在公開中の映画「シン・仮面ライダー」の公式Twitterが4月27日、同作に設けられた「PG12」区分について理解を促すツイートを投稿した。

「PG12」とは、映画倫理機構(映倫)が設けている4つの区分のうちの一つで、他3つ(G、R15+、R18+)が鑑賞者の年齢制限に関する意味を持つため勘違いされやすいが、これは12歳以下の子供に鑑賞を制限するものではなく、「小学生には助言・指導が必要」という位置づけのもの。例えば、暴力的なシーンを観てショックを受けた子供に、「あくまでもフィクションである」「作中の非人道的な行いは実際にはしてはいけない」などと、大人が助言する必要があるということだ。
 
 同作の公式Twitterは「本作は『PG12』区分ですが、鑑賞を制限するものではありません」とツイートを投稿。ツイートには「PG12」に関する記事を引用しており、この記事が同じく「PG12」区分でありながらメガヒットした「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」を参考事例にしていることも記載した。同アカウントはこの呼びかけを「ゴールデンウィーク前に改めてのご案内でした」とし、来場を呼び掛ける言葉でツイートを締めくくった。

「同作は原作をリスペクトして作られたオリジナル作品で、“大人向け仮面ライダー”とも呼ばれる高クオリティな作品です。コアなファンであるほど、鑑賞の満足度が高い傾向にあるのですが、その分、“にわか的”な客にウケるのか、不安視する声も…。公開から約1か月で興行収入20億2000万円を突破するヒット作となっていますが、歴代の『シン』シリーズと比べてしまうと、物足りない印象を与えるかもしれません。『シン』シリーズは2016年に公開された『シン・ゴジラ』が82億円、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が102億円とヒット続きだったので、それだけ期待値も高かったということでしょう。この現状を打破するには、コアなファン層だけでなくファミリー層への訴求が肝心となってくるため、『PG12』区分への誤解を解く呼びかけをしたのではないでしょうか」(ウェブ誌ライター)

 ネット上では《鬼滅もPG12だったけどあれだけヒットしたしコケ気味の言い訳にはならない》《明らかに大人向けだしファミリー層はもともと狙えないでしょ》《なんか必死に見えるけど20億いけば十分ヒットしたと言えるだろ…どんだけ目標興収高かったんだ?》など、公式の必死さを指摘する声も聞かれている。連休のファミリー層を獲得し、興収をさらに伸ばすことができるのだろうか?

(浜野ふみ)

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