古市憲寿「脱出ゲームのためだけにスペインに」/テリー伊藤対談(4)

テリー じゃあ、一人暮らしで休みの日なんかは何してるんですか。

古市 脱出ゲームってわかりますか? 何人かで部屋に閉じ込められて、謎を解いて脱出するっていうゲームがあるんですけど、それがすごい好きなんです。脱出ゲームのためだけに去年はスペインとオランダとデンマークに行きました。

テリー へぇ!

古市 実際の場所を使って、そこで自分がゲームの主人公になったみたいに活躍できるんで、これがメチャクチャおもしろいんですよ。

テリー それはスペインが本場なの?

古市 今はスペインが熱いですね。まるで映画の世界に迷い込んだみたいな没入型の施設が多くて、規模も大きい。日本の脱出ゲームとは全然違います。

テリー ああ、そういうことか。それを何人ぐらいで冒険するの?

古市 例えば4、5人の仲間で行って、みんなでインカ帝国の宝を見つけるみたいな。いろんな罠をかいくぐりながら、謎を解き明かす。そして敵を倒したりしながら、宝を手に入れるみたいな。ほんとにテレビゲームでやるようなことを現実世界で体験できます。

テリー おもしろい! 参加費はけっこう高いの?

古市 1人5000円ぐらいじゃないですか。だから4人で2万円とか。

テリー ああ、そんなもんなんだ。じゃあ、かかるのはほとんど旅費ぐらいで。

古市 そうですね。その1つの脱出ゲームの所要時間は1時間強。それを朝から晩まで、最高で1日8個とか入れました。去年の10月ぐらいかな、オランダに行った時は朝の8時にホテル集合して、夜中の3時までずっとゲームを回り続けるというのをやりました。食事はピザだけとか。

テリー 1週間ぐらい行ってるの?

古市 その時は1週間ぐらいでしたね。

テリー ほんとに他の観光とかは全然しないんだ?

古市 一切しないですね。

テリー 格好いい。僕も外国に行った時、車のマーケットだけ見て帰ってきたり、洋服だけ見て帰ってきたりするんですよ。

古市 それでいいですよね。

テリー でも日本の脱出ゲームはダメなんだ、スケール感が。

古市 日本のも楽しいですけど、スケールが小さいのでどうしても学校のお勉強みたいになっちゃうんですよね。また今年もスペインに行きたいと友達と話しています。

テリー やっぱりスペインがいい?

古市 世界のエスケープルームを評価するサイトがあるんですが、スペインは人気ですね。オランダも脱出ゲーム大国です。あと最近はギリシャもいいゲームが多いようです。

テリー そんなに人気で入れるんですか。

古市 1ゲーム1時間ぐらいで、1日に6回転ぐらいしてるので、どこかの回で予約はできますね。

テリー そうか、おもしろそうだなぁ。でも、それじゃあ恋愛なんかしてる場合じゃないね。

古市 東京にいると、楽しいことがたくさんあるんで、恋愛しなくても生きていけませんか。

テリー 俺は恋愛してたいですけどね。

古市 そうですか(笑)。

テリー でも古市さんはちゃんと話してみるとおもしろいね。今日はゆっくり話せて良かったです。改めて本も読み直してみます。

古市 テレビでは言いにくいこととか、さすがに10秒や20秒でコメントしたら誤解されちゃうなっていうこともたくさん書いた本なので、読んでいただけたらうれしいです。

〈テリーからひと言〉

 脱出ゲーム、おもしろそうだな。いつか誘ってくださいよ。あと古市さんがプロデュースした脱出ゲームもやってみたいね。

古市憲寿(ふるいち・のりとし)1985年、東京都生まれ。社会学者、作家。2011年、著書「絶望の国の幸福な若者たち」(講談社)で注目され、2012年より朝の情報番組にコメンテーターとして出演、メディアへの露出が増える。2013年、安倍内閣の「経済財政動向等についての集中点検会合」委員、2022年、「新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議」メンバーなどを務める。また作家として、2018年から2年連続で「平成くん、さようなら」(文藝春秋)、「百の夜は跳ねて」(新潮社)で芥川賞候補に選出される。最新刊「正義の味方が苦手です」(新潮社)発売中。

*週刊アサヒ芸能3月16日号掲載

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