最初に向かったのは、対馬の有名観光地・烏帽子岳展望台。島内の真ん中あたりに位置し、360度見渡せる展望台として人気のスポットだけに、すでに韓国人ツアー客が大挙して押し寄せていた。
韓国語が飛び交い、雄大な自然を撮ろうと、危険を顧みず柵の上に立っているおばちゃんまでいる。
せっかくなので、写真スポットが空くのを待っていたのだが、10分たってもツアー客一行は展望台から移動しようとしない。それにじれたのが後ろに並んでいた別の韓国人観光客だ。まくしたてるような韓国語でどなると、言われたほうも大声で言い返す。しばし応酬が続いてから、ようやく移動していったのだが、パワフルすぎる韓国人同士の口ゲンカを見ているだけで、景観を楽しむこともなく、なんだかどっと疲れてしまった。
烏帽子岳展望台のあとは、同じく定番の観光スポットで知られる日本の渚・百選に選ばれた三宇田浜海水浴場と、島内から釜山の夜景が見える韓国展望所を回った。もう見慣れたもので、どこに行っても駐車場には大型観光バスが止まっている。
ここでは特に大きなトラブルもなく、公衆トイレにハングルで書かれた落書きを見つけたのが物珍しかったくらいか。
お昼時を過ぎたあたりで比田勝港周辺に戻った。たまたま休憩していた飲食店従業員がいたので、韓国化が進む対馬について質問をしてみる。すると、韓国人観光客に頭を抱えている様子がアリアリと伝わってきた。
「飲食店のシャッターが閉まれば、次々と韓国人経営者が買収していくので、今では多くが韓国資本だって聞いたことがある。お客さんの特徴でいえば、大学生グループの韓国人観光客は、ビール1杯とつまみを2、3品だけ頼み、あとは店員の目を盗んで、持ち込んだ韓国焼酎のソジュで宴会をしていたのが何組かいたね。こっちが注意してもまったく聞く耳を持たなくて‥‥」
居座られてドンチャン騒ぎも迷惑な話だが、頭を悩ませるのはそれだけではないという。飲食店従業員が続ける。
「中高年の韓国人旅行客で目立つのは、『毎食キムチを食べないと調子が出ない』と言って、自家製キムチを持ち込んでくるんだよね。『当店は持ち込み禁止』だと説明すると、愛煙家が禁煙の店先でタバコを吸うみたいに、食事中にわざわざ店外に出てキムチを立ち食いして、また戻ってくるんだよ」
まるで奇妙な光景だが、店内で勝手に食べるよりはまだマシなのだろうか。