岡田彰布監督の性格を知る阪神OB、関西メディアの間で、こんな話がされるようになった。「ライトのレギュラーは決まったな」…。
令和5年元日、複数のスポーツ新聞に岡田監督が登場。対談、インタビューなど形式はさまざまだが、テーマは全て阪神の展望について。「湯浅京己をクローザーに指名したリリーフ陣の詳細」「新・二遊間コンビは誰なのか」などが語られたが、関係者をもっとも驚かせたのは「外野手のレギュラー候補」についてだった。
「岡田監督は聞かれたことに対してはきちんと答えてくれます。でも、聞き手が選手名を出して質問しなければ具体的なことは教えてくれません」(在阪記者)
そんな岡田監督が珍しく自ら名前を挙げて、称賛した外野手がいた。板山祐太郎だ。
「今やったら板山が一番ええな。はっきり言うて。今の左バッターで一番打つのはたぶん板山やと思うよ」(サンケイスポーツ1月1日付)
昨秋のキャンプ時点でも、板山の名前を挙げていた。「予想外に良かった」とし、守備、肩ともに合格点を与えていたが、とくに褒めていたのが打撃だった。
「岡田監督の言葉を借りると、『ボールを上から叩いてスピンをかける打ち方』ができているそうです」(前出・在阪記者)
板山は、今季でプロ8年目。昨季は14試合にしか出ていない。ドラフト同期には青柳晃洋、坂本誠志郎らがいるが、一軍でのスタメン出場は数える程度で、大きく水をあけられてしまった。
「その2015年ドラフト会議の1位は髙山俊でした。同じ右投げ左打ちの外野手ということで、チャンスはほとんどありませんでした。映像を見た金本知憲監督(当時)が『どうしても』というんで最後の6位で指名が決まりました」(球界関係者)
秋季キャンプで岡田監督のコメントを聞き、励みになったそうだ。
岡田構想によれば、中堅は近本、左翼は新加入のノイジーを予定しており、「外野手は我慢して使うポジションではない」とし、打撃好調な選手を優先して使っていくという。板山も打てなければ即交代となりそうだが、そのチャンスをもらえる一番手にいるのは間違いないだろう。
(飯山満/スポーツライター)