「スマホで年賀状」差出人不明のハガキが大量発送されたまさかの顛末

 届いた年賀状の差出人が記載される部分にQRコード広告が印刷され、差出人が誰が分からないという報告が相次いでいた問題で、「スマホで年賀状」を運営するCONNECTITは1月4日、公式サイトで謝罪。今後の対応と補償を明らかにした。

 同社によると、年賀状の差出人が広告によって不明になる問題が発生したのは22年10月3日~23年1月1日13時19分に「スマホで年賀状」サービスで「直接相手に届ける(直接投函)」を注文した利用者の一部。被害は届け先も含めると数十万人を超えるという。本来は、その年にどんな年賀状を送ったのか保管するための「保存用に注文機能(じぶん宛年賀状)」を注文した利用者のみ、差出人の欄に広告が印刷される仕様になっていたが、システムの不具合により相手に届ける年賀状にも印刷されてしまったという。

 今後は問題が発生した注文の特定を行い、該当の利用者には支払代金の全額を返金。その上で差出人が分かる年賀状を再度作成し、お詫び状を添えて届け先に改めて送り直すといい、「原因解明の調査を急ぐと共に、1日でも早く再作成品及びお詫び状を、お届け先様の元へお届けができるよう努めてまいります」としている。

「『スマホで年賀状』の《直接相手に届ける》を利用して仕事の得意先などにも年賀状を送った人もいたでしょうし、困惑した利用者も少なくないでしょう。ここしばらくは年賀状離れが深刻で、『小学館 kufura』が男女500人に聞いた年賀状に関する調査結果によると、『年賀状を本当はやめたいけど出している』と回答した人が33%にのぼる結果となっています。今回問題となったサービスなどは、こうした“本当はやめたいけど出している”ような層が手軽に年賀状を発送するために利用するケースも多いと思います。それだけに今回のような問題が発生してしまうと、さらに年賀状離れが加速してしまうかもしれません」(フリージャーナリスト)

 リアルとデジタルの連動を売りとする同社にとっても、痛い失態となった。

(小林洋三)

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