ゲーム業界は甘くない? IT大手が続々参入もコケる理由とは

 米Googleは、いまだ日本に上陸していないクラウドゲームサービス「Stadia(ステイディア)」の提供を来年1月18日で終了させると発表した。ゲーム業界にはIT大手GAFAなども続々と参入したが、早くも脱落者が出てしまった格好だ。

「Stadiaは2019年11月に14カ国でサービスを開始したクラウドゲームサービスで、専用機がなくてもWebブラウザやiOS/Android機器があれば楽しむことができます。ゲームはStadiaストアで購入するかサブスクリプションで楽しむかを選択できましたが、Stadiaのゼネラルマネージャーであるフィル・ハリソン氏によれば、『我々が期待していたほどの支持がユーザーから得られなかった』とサービスを終了させることを決めたとのこと。なお、Googleストアで購入したハードウェアやStadiaストアで購入したソフトに対しては全額を返金するといいます」(ゲームライター)

 21年に世界のゲーム市場は20兆円を超え、今後も拡大を続けるとみられている。そんな有望な市場を狙ってAmazonの「Amazon Game」、Appleの「Apple arcade」、Metaのメタバース「Horizon Worlds」などIT大手が相次いで参入したが、どこも思ったような成功を収められないでいるのが現状だ。

「Googleの場合は、そもそもクラウドゲームが楽しめる環境が整っていなかったことが失敗の原因に挙げられます。Stadiaは専用機やゲーミングPCがなくてもスマホやテレビでも気軽にゲームが楽しめることが大きなウリではありましたが、回線環境によっては遅延が発生してしまうことも少なくありませんでした。また、Googleは見切りをつけるのが早いため、サードパーティから信用を得られなかったという部分もあります。実際、Googleは切り札とも言えるStadiaとYoutubeの連携に積極的ではなく、21年には社内開発スタジオを解体してしまっていました。そのため、Stadia専用の大作ゲームを作ろうという気概がサードパーティ側もなく、よくあるクラウドゲームサービスの一つになってしまった点がゲーム好きから振り向いてもらえなかった原因ではないでしょうか」(前出・ゲームライター)

 プラットフォームだけ作り、ゲームはサードパーティ任せでストア手数料で稼ぐという考えは、ゲーム業界には向かないのかもしれない。

(小林洋三)

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