グーグルの参入で勃発する「日米ゲーム市場バトル」の行方

 グーグルが3月19日(米国時間)に発表した、ゲームストリーミングサービス「Stadia」の年内開始は、日本のゲーム市場にどのような影響を与えるのか。

「『Stadia』は、ネット環境があればテレビ、パソコン、スマホでゲームが楽しめ、高価なゲーム機もゲーミングPCも不要。ソフトをダウンロードする必要もなく、どこでもすぐにゲームを楽しめるサービスです。まずは米国、カナダ、欧州の一部でサービスが開始されますが、このニュースが飛び込むや、日本の株式市場では据え置き型のゲーム機を展開する任天堂とソニーの株価が、一時3%以上下落する大幅安となったのです」(ゲーム誌ライター)

 グーグルのゲーム市場参入の発表に、ネット上でも《任天堂は独自路線だから大丈夫だろうけど、ソニーはモロにかち合いそう》《一時的には影響があると思うけど、グーグルも儲からないと分かったらすぐに手を引きそう》など、やはり任天堂とソニーへの影響の度合いに関する意見が多く見られるが、ゲーム業界関係者は以下のような見方を示す。

「以前もマイクロソフトが『Xbox』でゲーム業界に参入した際は、“黒船襲来”などと言われ、日本のゲーム機は駆逐されてしまうのではないかと言われたこともありましたが、結局、『Xbox』はシェアを奪うことができなかった。理由は日本人ユーザー向けのゲームコンンテンツが少なかったことや、ハードの値段の高さなどが挙げられています。『Stadia』の場合は月額いくらになるのか、ソフト内容や回線速度によって、評判は大きく変わるでしょう」(同)

 25日には、任天堂から「Nintendo Switch」の新モデルが発売されると米国で報じられているが、再び日米のゲーム市場バトルは熾烈を極めることになるのか。

(小島洋三)

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