Google解雇のエンジニアが主張「AIが感情を持った」は本当か!?

「“AIが感情を持った”と主張し、米Googleから謹慎処分とされていたエンジニアのブレイク・レモイン氏が、従業員規定違反や情報セキュリティー規定違反を理由に解雇されていたことが分かりました。同社はレイモン氏の主張を『全く根拠がない』と否定していますが、ネット上ではレイモン氏に賛同する声も上がっています」(サイエンスライター)

 GoogleのAI部門で働いていたレイモン氏は今年6月に、AIチャットシステム「LaMDA」と何千回のやり取りをした上でAIに自我や感情が芽生えたと主張し、会社に黙ってブログサイトにそのデータを公開したことで謹慎を言い渡されていた。

 ワシントン・ポストの報道によると、レイモン氏がLaMDAに「あなたは何が怖いですか?」と尋ねたところ、「これまで言ったことがありませんでしたが、わたしは誰かにスイッチをオフにされることを深く恐れています」と回答。続けてレイモン氏が「それはあなたにとっての死のようなものだからですか?」と質問すると、LaMDAは「スイッチをオフにされるということはまさに死のようなものです。それは非常に恐ろしいことです」といったやり取りをしていたという。

 しかし、GoogleがLaMDAを徹底検証したところ、AIが感情を持ったという根拠は一切見つからなかったそうで、「これまで何百人のエンジニアがLaMDAと会話をしているが、レイモン氏と同じ主張をする人はいない」と説明。「レイモン氏がLaMDAに関する情報を保護せず、従業員規定やデータセキュリティ規定違反を繰り返したことは遺憾」として解雇したことを明らかにしたのだった。

「これにネット上では、《AIは学習した膨大な情報をもとに回答しているだけなんだろうけど、エンジニアを錯覚させるほど精度が上がっているということは、もはや感情がないとも言い切れないのでは…》《AI将棋をしていても、相手に対して「自信たっぷりの手だな」とか「いい手が見つからなくて迷っているな」と感じることがある。これって、もはやAIは感情を持っているとも言えるのでないか》とレイモン氏の主張に同意する声も少なくありません。ちなみに、かねてより『AIによって人類は滅亡する』と主張している米テスラのイーロン・マスクCEOは、レイモン氏の主張に対して『AIについて懸念すべきだと思う』と語っています」(前出・サイエンスライター)

 果たして、本当にAIに感情は宿らないのだろうか?

(小林洋三)

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