米アップルのスマートフォン出荷台数が大幅に減少し、韓国のサムスン電子に業界首位の座を明け渡していたことが分かった。中国市場での苦戦が大きな痛手になっているが、次期シリーズで大きな変革が行われなかった場合、iPhone離れはさらに加速してしまうかもしれない。
「米調査会社IDCが発表した2024年第1四半期(1~3月)のスマートフォン出荷台数によると、世界のスマートフォン市場は7.8%の成長を見せていますが、iPhoneは前年同期に比べ9.6%減少しており、サムスンも0.7%減少しているものの首位の座を奪われた形となっています。3位以下はXiaomi、Transsion、OPPOといった中国勢が出荷台数を増やしていて、全体の成長を押し上げている形になっています」(ITジャーナリスト)
中国勢が好調な理由には、中国でのiPhoneの失速がある。中国では政府機関や国有企業などでiPhone禁止令が出されているとされており、自発的に使用をやめる国民も増えている。その影響で、今年に入ってから6週間のiPhoneの売り上げは前年同期比で24%も減少していて、国産端末への乗り換えが進んでいるのだ。また、iPhoneの出荷台数が伸びなくなっている理由にはここ数年の変化の乏しさもあり、次の16シリーズで大きなアップデートがなかった場合はiPhone離れがさらに加速する可能性もある。
「しばらくiPhoneはカメラ性能が良くなったとかバッテリーの持ちが向上したとかマイナーチェンジしかしていないので、端末としての魅力がなくなってきているのが実情です。アップルとしても次の16シリーズが重要というのは百も承知。変革の目玉として生成AIの導入を目指していて、自社製のものではなく、Googleの『Gemini(ジェミニ)』を搭載する方向で交渉しているとの情報もあります。iPhoneに生成AIが搭載されれば、旧シリーズからの買い替えが進む理由にはなりそうですが、ただAndroid端末にはすでに生成AIを搭載しているものもあるので、乗り換える理由になるかは微妙なところ。もうひとつくらいメジャーアップデートがなければ16シリーズを買う理由にはならないのかもしれません」(同)
果たして、iPhone16シリーズにサプライズはあるのだろうか?
(小林洋三)