夏場のエアコン「我慢派」が4割超!「節電ポイント」が熱中症リスクを高めるおそれ

 6月29日、パナソニックは年代別エアコン利用状況に関する調査結果を発表し、夏のエアコンは我慢派・使わない派が4割以上いることが明らかとなった。特に60代以上はエアコンに対してネガティブな印象を持っていることも判明し、熱中症による救急搬送が急増する7月、8月はエアコンを使用しない高齢者に注意が必要となりそうだ。
 
「同調査は5月30日から6月1日にかけて20から60代の男女1084名を対象にネット上で行われたもの。夏のエアコンの利用頻度を聞いたところ、通常時では41%、睡眠時では48%が『我慢できるときは消す』『ほぼ使わない』『全く使わない』のいずれかを回答しています。エアコンを我慢する・使わないと回答した人にその理由を尋ねたところ、60代以上では『冷えすぎるから』『身体に悪いからといった』といったネガティブな理由が多かったといいます」(家電ライター)

 また、6月27日に三菱電機が発表した「親のエアコンの使用状況」の調査結果によると、夏にエアコンを積極的に利用しない高齢の親に「使うように促したことがある」人は74.4%、「親が夏にエアコンをつけたがらず、悩んでいる」人は63.8%にのぼっていることも明らかになるなど、高齢者がエアコンを使いたがらない実態が明らかになっている。
 
「高齢になると暑さを感じにくくなる傾向があり、また昔はエアコンなど無くても夏を過ごせていたという思いもあって、エアコンを我慢したり、使わないこともあるようです。しかし総務省消防庁の発表では、コロナ禍で屋内で過ごすことが増えたこともあり、令和に入ってから熱中症搬送者は全体で減少しているものの、高齢者に限っては増加傾向にあるのです。さらに、今年8月からは節電に取り組んだ家庭に2000円相当のポイントを支給する『節電ポイント』が開始される見込みとなっていて、電気代の高騰も加わってエアコンを我慢したり、使わない高齢者はさらに増える可能性は十分にあります」(経済ジャーナリスト)

 身近な家族が、高齢者への適切なエアコンの使用を促す必要があるだろう。

(小林洋三)

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