陽水、拓郎、小椋佳…リタイア生活を選んだ大物シンガーたち

 6月29日に歌手生活の集大成となるラストアルバム「ah-面白かった」をリリースした吉田拓郎(76)。すでに芸能活動終了の意向を明かしており、テレビ出演は7月21日放送の「LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP」(フジテレビ)が最後で、MCを務めるラジオ「吉田拓郎のオールナイトニッポンGOLD」(ニッポン放送)も12月で終了の予定だ。

 また、同世代の井上陽水(73)は、引退宣言などは行っていないが2年前から活動休眠状態。個人事務所の代表も退いている。中島みゆき(70)は、20年に予定していたラストツアーが代替公演も含めて新型コロナの影響で中止となったが、「このまま引退の懸念」という報道があった。また、演歌歌手の橋幸夫(79)は来年5月3日での引退を表明。

 他にも加山雄三(85)や高橋真梨子(73)、小椋佳(78)は、年内のツアーが最後であることを公言している。ファンにとってはさびしい限りだが、なぜこのタイミングで引退が相次いでいるのだろうか?

「コロナで音楽活動が大きく制限されてしまったこと、さらに年齢的な問題も重なったことが考えられます。どの人も歌い手として超一流で、プロ意識は人一倍高い。本人が納得できるパフォーマンスを見せられなくなったと感じたり、公演の制限でモチベーションを保てなくなったのかもしれません」(音楽評論家)

 例えば、小田和正は現在も精力的に活動しているが、17年に放送された「おはよう日本」(NHK)で「キーを下げなきゃ歌えなくなったら、潔く身を引くのがいいなって」と自らの引き際について語っている。今年で75歳を迎えるため、キャリアが終焉に近づいているのは間違いないだろう。
 
「ただし、その一方で『100歳までやってやろうじゃない!』と語る美川憲一、『ユーミンのまま死にたい』と話す松任谷由実のように生涯現役を掲げる人もいます」(同)

 引退の花道か生涯現役か。その生き様を含めて表現者なのだろう。

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