秋山翔吾の広島入りに愕然!? 矢野阪神は「補強打ち止め」の裏事情

 阪神には“裏マジックナンバー”というのがあるらしい。

 本拠地・甲子園球場での中日3連戦を全勝。しかし、前カードの広島戦を2敗1分けと負け越した時点では、最下位DeNAとのゲーム差はゼロ、僅か5厘差の勝率で辛うじて4位をキープする危機的状況にあった。

「3連勝で再び息を吹き返し、3位広島とのゲーム差は2。2位巨人とのゲーム差も3と縮まりました」(スポーツ紙記者)

 中日3連戦を終えた6月26日時点で、阪神は34勝38敗2分け。「勝率5割」「借金返済」も見えてきたが、阪神関係者はこの順位表を見て、別の感想を抱いたそうだ。

 あと、43勝…。昨季、阪神は77勝56敗10分けでシーズンを終了した。前半戦の独走状態をひっくり返された屈辱はともかく、

「昨季と同じ勝利数に到達すれば、次期監督の選出において、本社グループから口を挟まれないで済むのではないか?」

 との声も聞かれた。

 開幕9連敗など序盤戦の「歴史的な大コケ」がなければ、ここまで苦しむことはなかったはず。その原因は矢野燿大監督のキャンプイン前夜の「今年で辞める発言」に尽きる。阪神幹部は「矢野批判」が出る度に擁護する側にまわってきた。当然のことではあるがフロントは“やりにくさ”も感じているようだ。

「シーズン中の国内トレードはまとめにくい。退団する監督の下で放出される選手のことを考えると、積極的にはなれません」(在阪記者)

 在阪メディアによれば、阪神の監督人事は球団、阪神電鉄が検討し、最終的に親会社である阪急阪神ホールディングスの最終承認を得るという。

「阪急出身者の役員幹部はタイガースのことについては一歩引くことで、阪神出身者との良好な関係を築いてきました。でも、今年は開幕9連敗など歴史的大敗もあったので、次期監督の人選はスンナリとは決まらないでしょう」(同)

 阪神側が強いイニシアチブを握ることができる一つの基準が、昨季と同じ77勝に到達することだと思われているのだ。

 その77勝に到達するには、残り69試合で43勝しなければならない。数字上では望みはあるが、今年の阪神は広島からまだ1勝も挙げていない。広島戦がポイントになりそうだが、その広島は俊足好打の秋山翔吾の獲得に成功した。

 秋山の広島入りに驚いたのは古巣西武の関係者だけではないようだ。

(スポーツライター・飯山満)

スポーツ