NTTグループが、社員の勤務地を原則として「自宅」とする新制度を7月1日から導入する方針であることが分かった。まずはグループ主要会社の3万人がテレワーク勤務となるが、ネット上ではあのイーロン・マスクの経営手法と比較する声も見られる。
「新制度では自宅でのテレワーク勤務を基本として、出社を出張扱いにするといいます。居住地は日本国内であればどこでも問わず、出社時の交通費の上限は設けず、これまで認めてこなかった飛行機を利用した出社も認めるそうです。NTTグループには約18万人の社員がいますが、まずは3万人を対象として徐々に広げ、優秀な人材の確保につなげる狙いもあるといいます」(社会部記者)
NTTが打ち出した完全テレワーク制度にネット上には、《事務などのパソコン業務の人は通勤時間がなくなるし生産性は上がると思う》《もちろん全員は難しいと思うが、可能な人は完全テレワークに移行するという考えは柔軟でいい》など賛同する意見も多いが、一方で《完全テレワークを選択したNTT、テレワークを否定して原則出社を求めたマスク氏。一体、どちらが正しいのか?》といった疑問も浮上している。
「大手電気自動車メーカー『テスラ』のイーロン・マスクCEOは従業員に『40時間以上オフィスで勤務しなければ退社してもらう』というメールを送っていたことが明らかとなり話題となりました。そのため今回のNTTグループの新制度を受け、テレワークと非テレワークどちらが正しいのか議論になっているようです。焦点となっているのは、テレワークでどれほど生産性が上がるか否かで、この点でマスク氏は『会社とは別の場所で働くふりをしていればいい』と語るなどテレワークはサボりの温床だと考えているようです。自宅勤務は自分でモチベーションをコントロールしなければならないのは確かなので、果たしてNTTが原則テレワークでどれほど生産性を上げられるのかに注目が集まります」(経済ジャーナリスト)
国内企業でこれほど大規模なテレワーク実施は他に例がない。社員たちにどんな影響を与えるのか、今後の報告に期待したい。
(小林洋三)