7月25日、日本生産性本部が同月に実施した「働く人の意識に関する調査」の結果を発表し、テレワークの実施率が16.2%と過去最低だったことが明らかとなった。コロナ禍も3年目となったが、結局日本にはテレワークは根付かなかったのだろうか?
「同調査は2020年から四半期ごとに実施しているもので、テレワーク実施率16.2%は過去最低の数字であり、最多だった20年5月の31.5%からほぼ半分にまで減っています。年代別では20代と30代の実施率が低下していることからも、会社側がテレワークの実施を見直していると考えられます」(経済ジャーナリスト)
テレワークについては、「コミュニケーションが取りづらい」や「従業員の勤務実態が分かりづらい」「若手育成の効率が落ちる」などデメリットも多く、日本生産性本部も、緊急事態宣言などが発令されなければ「雇用者はコロナ前の働き方や生活様式に回帰するのではないかとの見通しを強めつつある」と指摘している。
「6月に大手電気自動車メーカー『テスラ』のイーロン・マスクCEOが従業員に『リモート勤務を希望する人は最低でも週に40時間はオフィスで働かなければならない。もし、これに従わない場合は会社を退職してもらう』と実質的なリモートワークの廃止を通告していたことが話題となりましたが、日本でもマスク氏と似た考えを持った経営者が多いのかもしれません。ただ、アメリカではテレワーク実施率が85%とも言われ、コロナ第7波が到来のいま、果たしてこの状況が正しいのかは疑問です」(前出・経済ジャーナリスト)
ともあれマスク氏の仕事への考え方は、もともと日本に近いものがあるのかもしれない。
(小林洋三)