経団連の「テレワーク見直し」提言に噴出した揶揄

 経団連の十倉雅和会長は11月8日、都内で開かれた記者会見で、政府が呼びかけるテレワーク促進による“出勤者7割減”について「なくしていく方向で見直すべき」との提言を発表したが、これに困惑の声が広がっている。

「十倉会長は新型コロナウイルスの感染が減少傾向にあることから、経済活動を活性化させるために緊急事態宣言は可能な限り回避すべきなど、岸田政権へ向けた提言を発表しました。その中で、『一律と言われるといろいろなところで経済活動に支障が出る』とテレワークに対して特に強い懸念を示し、『科学的な知見』を踏まえてなくしていく方向で見直すべきであるとの考えを明らかにしたのです」(社会部記者)

 これにネット上では、《余計なお世話。テレワークでうまく回ってるところもあるんだから、なくしていく方向でなんて経団連に言われる筋合いはない》《そもそもなぜ今テレワークをヤリ玉に挙げる必要があるんだ。経済活動を活性化させるためには他にもっとやるべきことがある》など批判が相次いでおり、《さすがは3年前まで会長室にパソコンすらなかった時代遅れの経団連。科学的な知見とは笑わせる》と揶揄する声まであがっている。

「18年10月の『読売新聞』では、同5月に会長に就任した日立製作所出身の中西宏明氏が初めて会長執務室にパソコンを持ち込んだことを紹介。中西氏からメールを受け取った当時の職員が『これが中西さん流だ。主に紙でやり取りしてきた職員の働き方を変えようとしている』と発言したことも取り上げていましたが、《会長がメールを使っただけで働き方改革になる経団連っていつの時代を生きてるの?》といった驚きの声が続出する事態になっていましたからね。その話は措くとしても、出勤者の7割削減は昨年4月に初めて緊急事態宣言が発令された際に政府が要求したものですが、今年10月21日に日本生産性本部が発表した『働く人の意識調査』によれば、テレワーク実施率は昨年5月の31.5%をピークに、その後は2割程度の実施にとどまっています。つまり、そもそも出勤者の7割減という目標はまったく実現しておらず、テレワークが経済活動に支障を及ぼしているとはとても言えない状況にあるのです」(経済ジャーナリスト)

 あえてテレワークに言及する必要はなかったか。

(小林洋三)

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