1月31日、人事院で新型コロナウイルス感染症対策として、国家公務員の勤務制度をテレワークに対応したものにするための有識者会議の初会合が行われたが、これにネット上では《今さら!?》と驚きの声が上がっている。
「コロナの感染拡大以降、これまでも国家公務員はテレワークを実施していますが、あくまで試行段階でした。現在、国家公務員の規則では必ず勤務しなければならない時間帯が定められているため、今後はテレワークを導入できるよう有識者会議で制度や運用面について検討し、来年6月ごろまでに報告書を取りまとめる方針だといいます」(社会部記者)
会議の座長を務める東京大学大学院の荒木尚志教授は「民間部門のように柔軟な勤務時間について検討したい」と語ったが、ネット上では《これから検討? どう決まるかもわからないし、そもそも実際に適用されるのはいつの頃になるやら…》《最初の緊急事態宣言が出てからもうすぐ2年が経とうとしているけど、これから検討って今さらすぎないか!?》《報告書が取りまとめられる頃にはコロナは落ち着いていて、やっぱりテレワークは導入しませんって結果になりそう》《こんなことに有識者会議の会合なんている? ホントこういう組織はスピード感がないんだよな》といった指摘が飛び交っている。
「昨年、政府が発表した国家公務員のテレワーク実施状況によれば、21年5月19日の霞が関の中央府省庁職員約5万1000人のうち、63.6%が職場に出勤しなかったとされています。しかし、この調査はあらかじめ各省庁に通知されていたことが明らかとなっていて、政府が民間企業に求める出勤者7割削減に近い数字を出すために、この調査日だけ出勤しなかった人も多かったとされています。また、コンサルタント会社『ワーク・ライフバランス』が21年3~4月に現役の国家公務員を対象に実施したアンケート調査によれば、直近1カ月の全労働時間のうち、テレワーク・自宅勤務が0%だったと回答した人は38%に上り、35%がテレワークを推奨しない、禁止されていると回答しているのです」(経済ジャーナリスト)
いまだに紙の書類でやり取りする文化が根強く残っているとされる国家公務員。テレワークを本格導入するには多くのハードルがありそうだ。
(小林洋三)