「週40時間以上出勤しないとクビ」イーロン・マスクの方針に日本でも同調の声が

 大手電気自動車メーカー「テスラ」の最高責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏が従業員宛に送ったメールで、40時間以上オフィスで勤務しなければ「退社してもらう」と宣告していたと、複数の米メディアが報じた。コロナ禍でリモートワークが推進される中で世界の潮流に逆らった方針とも言えるが、ネット上ではマスク氏に理解を示す声も少なくない。

 この一件はニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、ブルームバーグなど米主要メディアが報じ、マスク氏が送ったとみられるメールには「リモート勤務を希望する人は最低でも週に40時間はオフィスで働かなければならない。もし、これに従わない場合は会社を退職してもらう」と書かれていたという。

 さらに同様のメールは宇宙関連企業「スペースX」の従業員にも送られ、「あなたの地位が高ければ高いほど、その存在を示さなければならない。私はずっと現場で働いてきたし、もしそうでなければスペースXはとうの昔に潰れていただろう」と説いているとか。

 日本では総務省が5月27日に発表した通信利用動向調査によると、テレワークの導入が1999年の調査開始以来はじめて5割を超えたことが明らかになるなど、オフィス以外で働く人も増えている。しかしマスク氏が従業員に送ったメールに対してネット上では、《むしろ明確でいいと思う。嫌であれば、他社に転職すればいい》《実際問題として在宅勤務ができる仕事とできない仕事があるからね。どこもかしこも導入すればいいってことはない》《実際に家で仕事をしてみて、その難しさを痛感したから、個人的にはマスクさんに大賛成》《職種にもよるがリモートワークの弊害もけっこう出てきてるしね。本当はマスクと気持ちは同じって経営者も少なくないと思う》など、意外にも賛同する意見も多く見られる。

「総務省が実施したアンケートによれば、テレワーク実施で『会社に行かないと利用できない資料がある』(22.8%)、『会社でしかできない手続きがある』(19.4%)、『社員同士のコミュニケーションが難しい』(17.8%)、『上司からの確認・指示を得にくい』(10・8%)といった課題や障壁があるとの声も寄せられています。実際、マスク氏もリモートワークを導入してみて障壁を感じたのでしょう。自身のTwitterで、オフィスワークを時代遅れとする人を『会社とは別の場所で働くふりをしていればいい』と痛烈に批判していますからね」(ITジャーナリスト)

 ということは、買収が決まっているTwitterの従業員たちにも、40時間以上のオフィス勤務が求められそうだ…。

(小林洋三)

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