2日の対パラグアイ戦は4対1の快勝。W杯まで半年を切った森保ジャパンは悲願の「グループリーグ突破」を果たせるか。日本サッカー協会(JFA)顧問の釜本邦茂氏が直言する。
事あるごとに指摘される日本代表チームの決定力不足。森保一監督は、これまで「不動の1トップ」として大迫勇也(神戸)を起用。ところが、コンディション不良を理由に大迫が代表から漏れて、ポジション争いが風雲急を告げている。
「パラグアイ戦では、浅野拓磨(ボーフム)がスタメンで1ゴール。後半には、セルティックの前田大然に加え古橋亨梧の両雄が途中出場しましたがゴールは決められず。鹿島の上田綺世は出場しなかった」(サッカー記者)
群雄割拠の中、釜本氏が注目するのは、神戸からセルティックに完全移籍して頭角を現した古橋と、現在J1得点王の上田だ。
「まず、古橋はアジア予選から、どれくらい成長しているのかを見たい。周囲からいかに生かされるか、信頼を勝ち取っているかがポイントになるでしょう。対する上田は、体格的にもシュート力的にも、海外の選手に引けを取らない。空中戦でも足元でも戦えますし、前からアタックされてもボールキープができる。上田が確実にシュートチャンスを掴めればグループリーグ突破も可能です」
だが、1トップを生かすには2列目の活躍が不可欠。釜本氏は今回のW杯のキーマンとして伊東純也(ヘンク)と三苫薫(サン・ジロワーズ)の名前を挙げる。
「伊東の最大の武器はとにかくスピード。彼がボールを持てば試合展開が大きく変わる。三苫は、体格的に海外の選手と十分に渡り合えます。後半20分くらいの厳しい時間帯でもいい当たりができるか。あるいは左サイドからどう出てくるか次第でチャンスが生まれる。それだけに、この2人を起点にした攻撃が突破口になりうる。さらに言えば、MFは早めにプレスをかけ、前線でいかにボールを取るのかが大事。そのために伊東のスピードが不可欠となる」
一方、活躍が期待される久保建英(マジョルカ)には厳しい指摘も。
「気持ちがあるのはわかるが、前線まで上がる決定打を持っていない。伊東純也やパラグアイ戦も出場した堂安律(アイントホーフェン)など、両サイドには優れた選手がたくさんいる。現状ではスーパーサブ的な存在でいるのが、ベストだと思います」
苦言を呈しつつも釜本氏は、現状のメンバーでも十分に「グループリーグ突破」は狙えるという。
「緒戦のドイツは組織サッカーのチームなので、日本代表にとってはくみしやすいチーム。逆に個人技が多いスペインは、やりづらい。リーグ突破には勝ち点5〜6点は確実に取らなければならない。コスタリカ×ニュージーランドとの大陸間プレーオフの勝者とドイツの2チームとの戦いで確実に勝ち点を取る。ここに尽きます」
辛口で鳴る釜本氏も森保ジャパンのメンバーには期待を寄せているのだ‥‥。