森保ジャパン「スペイン撃破」シナリオもあった!(1)1-0で下した成功体験

初戦ドイツ戦の大逆転勝利で世界を驚かせた森保ジャパン。グループリーグ突破を一気に引き寄せたが、第3戦に立ち塞がるのが「無敵艦隊」ことスペインである。コスタリカを相手にいきなり7-0と圧倒した出場国屈指のサッカー強国ではあるが、21年東京五輪では延長後半まで0-0と善戦しており、下馬評ほどの差はないと見る。劇的勝利のシミュレーションを敢行しよう!

 遡ること11月17日、サッカー日本代表はワールドカップ直前の親善試合・カナダ戦に臨んだ。柴崎岳(30)の縦パスに反応して裏に抜けた相馬勇紀(25)のワンタッチゴールで先制するも、前半中にコーナーキックから同点に追いつかれ、後半アディショナルタイムにPKを献上して最終的に1─2で敗れた。

 代表主将の吉田麻也(34)は試合後、報道陣の質問に対し「(悪いところが)見事に出た。すごく課題がたくさん出た試合で修正しがいがある」と答えている。本番直前にもかかわらず、何とも言えない頼りなさが漂っている、と感じる向きも多かっただろう。

 ドイツ(14年大会)とスペイン(10年大会)という近年の優勝経験国と同居するグループEは、まさに日本にとって〝生き地獄〟と呼ぶにふさわしい難所。控え組のテスト的側面もあったとはいえ、決して列強と呼べないカナダに逆転負けを喫したチーム状況で、目標とする決勝トーナメント進出に黄信号がともっていた。

 だが、サッカージャーナリストの六川亨氏はこう語っていた。

「以前から日本代表は、体格差やパワー、スピードなどの身体能力差を前面に出してプレーする対戦相手を苦手にしています。今回で言うと、ドイツがそのタイプにあたる。逆にスペインは伝統的にテクニシャンが多く、パスを細かく繋いでボール支配率で相手を上回るポゼッションサッカーが欧州随一の国。どちらがより日本とかみ合うか、といえばスペインでしょう。加えて、スペインには12年のロンドン五輪で対戦し、日本が1─0で勝利しています。吉田や権田修一(33)、酒井宏樹(32)には、その成功体験があるのです」

 日本がベスト8以上を目指すなら、スペインは決勝トーナメントでも大きな壁になるはずだ。

 そこで今回、そのスペイン戦に絞った上で、日本がどのような戦術をとるべきか、あるいは誰をスタメンで使うかなどを徹底的にシミュレーション。そこには「無敵艦隊」の撃沈を完遂させるマル秘シナリオが存在したのだ。

*週刊アサヒ芸能12月1日号掲載

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