「テレビとかで観たことはあったとしても、解説でノーヒットノーランを観るっていうのは初めてだったんで、コメントに困った…」
6月7日、札幌ドームで行われた対北海道日本ハムファイターズ戦において、NPB史上85人目のノーヒットノーランを達成した、横浜DeNAベイスターズの今永昇太。ラジオ中継の解説のため同地を訪れていた元横浜の高木豊氏が、自身のYouTubeチャンネル〈高木豊 Takagi Yutaka〉で発した第一声が冒頭の言葉だった。
「ノーヒットノーランを解説でしゃべるっていうのはさ、意外と難しいもんだなと思ってさ…。どうやったら(今永を)攻略出来ますかって(訊かれて)…いやいや攻略されても困るし、でも打たないとつまらないし」
高木氏は94年に横浜から日本ハムに移籍。両チームのOBであったことも、高木氏の心境を複雑にしていたようで、セ・パ交流戦なくしては実現しえない稀有なケースだった。
今回の今永の“ノーノー”だが、球団としては1970年6月9日にヤクルトから達成した鬼頭洋氏以来、実に52年振りの快挙。籍を置いたチームの解説を任されるOBは多いが、両チームを経験した高木氏が解説者として初めてノーヒットノーランを目の当たりにしたのだから、感慨深いものがあるだろう。
もっとも、今シーズンは5月にソフトバンクの東浜巨がノーヒットノーラン、4月には千葉ロッテの佐々木朗希が完全試合を達成しており、記録ラッシュの様相。「2度目なんで慣れたもんで…」なんて高木氏の軽口を聞ける機会があるかもしれない…?
(ユーチューブライター・所ひで)