地元メディアが「筒香放出」を訴え!事態を助長するパイレーツのチーム事情

 パイレーツの筒香嘉智が練習を再開させた。とはいっても、塁間程度の距離でのキャッチボールと軽めのティー打撃練習など。腰部の筋肉の張りで負傷者リスト入りしたのが5月27日(現地時間)。回復に向かっているようだが、地元メディアは「筒香の放出」を強く訴えている。負傷でチームを離れる前の成績が打率1割7分7厘、本塁打2、打点15とひどすぎたせいもある。しかし、理由はそれだけではなかった。

「マイナーから昇格してきた若手の活躍を考えると、筒香の放出先を探しているという報道にもリアリティが伴います。ベン・チェリントンGMと新加入選手の関係も考えると、そのままチームに復帰できたとしても、筒香の今後が心配です」(在米ライター)

 筒香の離脱後、「4番・一塁」でスタメン起用されることが多くなったのが、26歳のマイケル・チャビスだ。昨季途中、レッドソックスから移籍してきて、今年は打撃成績も好調だ。筒香の離脱前は二塁を守ることも多かったが、興味深いのはプロ入りの経緯。彼は2014年にレッドソックスからドラフト1位指名され(全体26位)、19年にメジャーデビューを果たした。

「1位指名されたときのレッドソックスGMがチェリントン氏でした。その後は伸び悩んでいましたが、パイレーツのGMに転じたチェリントン氏がチャビスをトレードで呼び寄せたんです」(同)

 チェリントンGMとの再会を果たしたものの、昨季のチャビスはホームランを狙いすぎて成績が安定しなかった。しかし、今季はコンパクトスイングを心掛けており、好不調の波もほとんどなくなった。

 筒香獲得にゴーサインを出したのもチェリントンGMだが、思い入れが強いのはどちらかと聞かれれば「チャビスのほうだ」と答えるだろう。「筒香の放出先を探している」——。地元ファンがその報道を否定しない理由はチェリントンGMにありそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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