トランプ氏、最悪のタイミングでプーチンに“頼み事” 保守層からも怒号!

 米国で今年11月8日に行われる中間選挙は、連邦議会上院の議席の3分の1(34議席)、および下院の全議席(435議席)の改選が行われる、文字通り、バイデン政権の今後を左右する天下分け目の闘いだ。そんな中間選挙をにらんで、バイデン批判を繰り返すドナルド・トランプ前米大統領のある発言をめぐり、全米が揺れてるという。

 米国の政治問題に詳しいジャーナリストが語る。

「実は、バイデン大統領の支持率が就任以降40%と低下傾向にある一方、最新の世論調査でトランプ氏の支持率が上昇していることもあり、このところ、トランプ氏によるバイデン氏攻撃がエスカレートしていたんです。そんな中、3月末、保守系テレビ局に出演したトランプ氏が突然、バイデン氏の次男ハンター氏が元モスクワ市長の妻から350万ドル(約4億3000万円)を受け取ったとぶち上げたのです。そして、こともあろうか『プーチンなら知っているはず。公表するべきだ』と語ったことで、さすがにこの時期にプーチン氏に頼み事をするとはけしからん、と批判が巻き起こったというわけです」

 トランプ氏は2019年にも、バイデン氏の息子にまつわるスキャンダルをでっち上げようとして“失敗した”過去がある。

「トランプ氏は、2月26日にフロリダ州オーランドで開催された『2022年保守政治行動会議(CPAC)』の演説でも、ロシアのウクライナへの侵攻は残虐行為としながらも、その責任はすべてバイデン大統領と『それほど賢くない北大西洋条約機構(NATO)諸国にある』として、『他国から尊敬されない弱い大統領がいると、非常に混沌とした世界になる。第二次世界大戦以来、世界がこんなに混沌としたことはない』『アメリカは自分のリーダーシップの下では強力で、狡猾で、賢い国だったが、今は愚かな国になった』と、バイデン政権を痛烈にこき下ろしています。とはいえ聴衆にとって、トランプ氏のこの手の発言は聴き慣れたもの。ただ今回は、世界中から独裁者、戦争犯罪人と非難されているプーチン氏に対する“お願い事”とあって、さすがにジョークではすまされず、保守層からもブーイングが上がっています」(同)

 2016年のアメリカ大統領選では、トランプ氏を当選させるべくサイバー攻撃が仕掛けられ、SNS上でヒラリー氏の評判を下げる投稿が行われた。それらの秘密工作がプーチン大統領の指示だったと、CIAにより結論付けられたという。

「さらに政権誕生後の17年には、ロシアのラブロフ外務大臣がホワイトハウスを訪問した際、トランプ氏からロシア側に中東情報が渡されたことが明らかになっています。つまり、プーチン氏とトランプ氏とはそれほどまでに蜜月関係にあったということ。現在の両者の関係はわかりませんが、おそらくトランプ氏はテレビ局のインタビューを受け、ふとした拍子に本音が出てしまったのでしょう。ただ、世界がロシア批判一色に染まる中での安易な発言ですからね、大きな後遺症になる可能性は否定できません」(同)

 口は禍の元。さしものトランプ氏も頭を抱えているかもしれない。

(灯倫太郎)

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